サウジアラビアの海水淡水化公団(SWCC)は2013年2月11日、造水能力が日量60万m3の世界最大の淡水化プラントを、ジェッダの北のラービグに建設することを明らかにした。
これについて、SWCCで西部地域を統括するMuhammad Al-Thubaityは、「このプロジェクトの工事は2014年第1四半期に開始され、2018年に完了する」と語り、加えて、2013年の予算がこの巨額プロジェクトにも割り当てられていると述べた。
Al-Thubaityによると、新設のプラントはジェッダ北部、メッカ、およびターイフに水を供給するという。ラービグには現在すでに淡水化プラントがあるが、この既設プラントの造水能力は最近になって日量2万立方メートルに増強され、Khaleesとラービグに飲用水を供給している。
Al-Thubaityはまた、ラービグに新設するプラントは逆浸透(RO)方式で、ラービグの周辺の都市や村の水需要も満たすと述べた。同氏は、サウジアラビアの全国土にじゅうぶんな量の水を供給するというSWCCの決意を強調した。
SWCCの事業概要と今後の見通し
SWCCは現在、世界の淡水化による造水量の約20.7%の水を生産している。SWCCが供給している水は、約88.5%が多段フラッシュ(MSF)法の大規模プラントによるもの、10.6%が既存の発電・MSF造水プラントと組み合わせた大規模なRO法のプラントによるもの、残る0.9%がRO、MSF、および多重効用(ME)法の小規模なプラント(衛星プラント)によるものである。
SWCCは2012年、淡水化による造水能力を向こう15年間におよそ日量400万立方メートル増強したいという意向を明らかにした。世界最大の淡水化インフラの購入者であるSWCCは、現状のままでは2025年までに水の需給ギャップがおよそ日量150万立方メートルに達すると予測している。
現在、新規のプラントがRas Al-Khairとジェッダに建設中で、合わせて日量130万立方メートルを造水することになっている。SWCCは、シュケイク、Shuaiba、およびジュバイルの淡水化プラントの造水能力を増強するとともに、アルコバールとヤンブーに2基ずつのプラントを新設して、さらに日量200万立方メートルを上積みする計画である。