ドイツのジャーマンウォーターパートナーシップ(GWP)が設立5周年を迎え、これまでの歩みを総括した“Networking is our Business”と題する英文冊子を発行した(以下のリンクに掲載)。
http://members.germanwaterpartnership.de/fileadmin/pdfs/gwp_materialien/networking_is_our_business.pdf
GWPは、世界水市場でのドイツの立場を強めるため、2008年4月8日に発足した。ドイツの水企業、水研究機関、上下水道組合等が進める官民合同の戦略的イニシアチブであり、政府5省(研究、経済、環境、国際協力、外務各省)も参加している。
冊子によると、当初130団体で出発した会員数も、2012年12月現在、362団体へと増加した。会員へのアンケートによると、この間、GWPに参加することで「期待が(一部でも)満たされた」と回答した者は全体の81%にも達した。また、「他の会員とこれまでどういう協力を進めたか」との質問で、最も多かったのが「事業」そのもので33%、次が「情報・経験の交換」17%、「ビジネスコンタクト」16%と続いた。
GWPは2009年、国際進出事業を差別化し、“とくに有望”とみなされる国や地域にターゲットを絞ることにした。現在、15の地域部門が設置され、それぞれ1国1地域を担当する体制になっている。それは次の4つのグループに分類できる。
- 米州/アフリカ部(ブラジル、メキシコ、アフリカ諸国)
- 欧州部(ロシア、欧州南東部、トルコ、ウクライナ)
- 中東部(エジプト/ヨルダン、湾岸諸国、イラン、マグレブ)
- アジア部(中央アジア、中国、インド、ベトナム)
GWP自ら「ベストプラクティス」として紹介している実績は次のとおりである。
- 中国―人口急増の都市圏におけるセミ集中管理方式の上下水道システムの普及
- ベトナム―工業団地向けの総合的下水処理計画の推進
- シンガポール―実証済みの土管を使った曲がり水道配管の敷設
- モンゴル―下水処理施設と灌漑設備の整備
- イラン―伝統的な大量の水消費行動の改善
- パレスチナ―上下水道の整備を通じた平和への貢献
- ロシア―2014年ソチオリンピックに向けた下水処理施設の建設
- ブラジル―分散的な飲料水浄化システムの構築
- チリ―河川の水資源データの収集と農業用水の分配を統合するシステムの運用
- 南アフリカ―オリファンツ川河口流域での総合的水資源管理方式の確立
- ヨルダン―誘導管オーガーボーリング技術の移転
- モロッコ―下水処理施設と灌漑設備の整備