ブラジル沖のFPSO向けの水供給システムを受注

スエズ・エンバイロメントの子会社Degrémontは2013年7月22日、4つの水供給ユニット(硫酸除去ユニット2つおよび海水淡水ユニット2つ)の設計・調達契約をKeppel FELS Brazilおよびその子会社Estaleiro BrasFELS Ltdaから受注した。それら4つの水供給ユニットは、ブラジルの国営石油会社ペトロブラスの65%子会社であるTupi B.V.社が手掛ける、FPSO(Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)2基に導入される。これらのFPSOは、ブラジルのオフショア油田開発に使用されるもの。

Degrémontは石油・ガス産業の川上における水管理で長年にわたる経験を有しており、石油精製のための水処理で鍵となる硫酸塩処理について革新的なソルーションを提供している。硫酸除去ユニットで海水を処理し、注入水の最適化をすることによって、多孔質の貯留層におけるスケールの発生を防ぎ、石油増進回収(EOR)に寄与することができる。いっぽう、逆浸透膜ユニットで海水から淡水を生産することで、原油から塩分を除去することが可能となる。

石油・ガス産業向け水処理――潜在性の高い市場

スエズ・エンバイロメントは産業における水処理を2020年までの4つの戦略的優先事項として位置づけている。石油・ガス産業の川上は年率20%(推定)という高い成長率を誇る注目市場である。Degrémontは主要な石油企業から得た知見や、その地理的な国際性を活かし、世界のどの地域における課題にも対処できるようカスタマイズしたソルーションの提供を強みとしている。現在、Degrémontはブラジルにおいて、ペトロブラスの製油所における水処理や産業汚泥処理を手掛けている。また、中国においてペトロチャイナの製油所向けの廃水処理および四川省成都のリサイクル施設の設計・調達契約を受託している。また、英国INEOS社のGeangemouth製油所において、すべての水のサイクルを管理している。