複数のプライベート・エクイティ・ファンド、Siemens水事業部門の落札を検討

2013年8月6日にロイターが報じたところによると、Siemensは水事業部門(Siemens Water Technologies)の売却について、7億ドル(約683億円)もの落札額を希望しており、また2度目の入札を8月中旬までに実施する方針であることが複数の関係者が明かした。この落札については、プライベート・エクイティ・ファンド*1のPlatinum Equity LLC*2とCenterbridge Partners LP*3、Golden Gate Capital LLC*4が入札準備を進めているという。

鉄道から補聴器に至るまで幅広い製品を製造し、時価総額においてドイツで第2位に位置するSiemensは、昨年11月、収益性の高い事業に集中するため、水関連事業を入札により売却する方針を発表した。その発表の場においてSiemensは、Water Technologiesが置かれた水市場は、あらゆる中で最も細分化が進んだ業界であり、また地方自治体や産業界に顧客基盤を持つ点についても、Siemens全体の売上構成要素とはほとんど共通点がないと語った。

買収により成長してきたSiemens Water Technologies

Siemensはこの10年の間に相次いで企業買収を行い、水事業部門を構築してきた。2004年にはVeolia Environnement からU.S. Filter社の水関連サービス部門を10億ドル(当時約1100億円)で買収している。Siemens Water Technologiesは通常の水処理システムから緊急時における給水・殺菌システムまでの製品を取扱っており、2012年に13億ドル(約1268億円)の収益を挙げた。関係者によればプライベート・エクイティ・ファンドらはそのEBITDA(金利・税金・償却前利益、支払利息・税金・減価償却・償却控除前利益)を7000万~8000万ドル(約68億~78億円)と見積もっているという。Siemensと売却に関する財務顧問であるゴールドマンサックス・グループはこれに関するコメントを拒否している。またPlatinum Equity、Golden Gateもコメントを拒否し、Centerbridgeの広報担当もコメントの求めには応じなかったという。

*1 プライベート・エクイティ・ファンドは未公開株式への投資を専門とする投資会社。企業価値を高めた後に株式を公開または売却することで利益を得る。*2 Platinum Equityは1995年創業、カリフォルニア州・ロサンゼルスに拠点を置く企業買収・合併・運用を専門とする投資会社。*3 Centerbridge Partners LP は2007年創業、ニューヨークおよびロンドンに拠点を置く投資会社。*4 Golden Gate Capital LLCは2000年創業、サンフランシスコに拠点を置く投資会社。

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