ドイツ、ベトナムとの水事業協力関係を深化拡大――VIETWATER2013も今秋開催

ドイツのジャーマンウォーターパートナーシップ(GWP)とベトナム上下水道組合(VWSA)の水事業での協力関係が、このところ深化拡大している。GWPは2013年10月16~18日、ベトナムのホーチミン市で、VWSAと共催でVIETWATER2013国際見本市を開催する*。GWPはベトナム側との提携強化のため、会員企業の積極的な参加を呼びかけている。

ドイツは5年前、ベトナムの水事業近代化を支援するため、IWAS(ザクセン国際水研究連合)プロジェクトを開始した。ドイツ連邦研究省が助成し、担当団体はヘルムホルツ環境研究センター、ドレスデン工科大学、ドレスデン市水道局であった。IWASは2013年7月2日のハノイ会議で成功裏に終了した。このときIWASの成果は、DEVIWAS(水部門の能力向上のための独越団体提携)プロジェクトに引き継がれた。これは、ドイツ連邦経済協力省が助成し、GWPとVWSAが協力して実施するもので、ベトナムの水事業団体の体質を改善し、互いの経験を長期にわたって交換するとともに、能力開発(Capacity Development)のための対策を強化することを目的としている。

両団体は2010年すでに、了解覚書に署名している。覚書の目的は次のとおりであった。なお、この2つの目的はすでに達成されており、ベトナムで良い手本例となっている。

  1. E-Learningモジュールを開発する。
  2. ロンビエンの下水処理インフラを開発するためのマスタープランを作成する。

GWPは今後、ベトナム側の能力開発のための対策を強化していく。そのためGWPは会員にアンケート調査をし、ベトナムの水事業にとって特別に重要なテーマを特定した。それはたとえば、下水処理施設のような大型投資案件の取り扱い、エネルギー最適化の問題、コスト計算や料金設定などのテーマに及んだ。コスト計算のための指針作成などの分野でも、緊密な協力が進んでいる。GWP会員のG・レシュテル氏は「企業経営の観点から計算して上下水道料金を設定できるかどうかが、水事業成功の鍵を握る」と述べた。

GWPによると、ベトナム政府側も課題を認識している。同国の5カ年計画は、下水処理をはじめ、水分野の基盤整備を重要な柱として位置づけている。ベトナムのCao Lai Quang建設大臣は、「最新の技術基盤なくして、ハノイやサイゴンといった都市の存立は考えられない」として、水能力開発センターの設立を訴えている。この案件は、まもなく行われる独越融資交渉の場で決裁されることになる。

* VIETWATER2013の開催案内は以下のURLより閲覧可能。
http://www.vietwater.com/

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