2013年7月2日に現地メディアが報じたところによると、ホーチミン市当局は、天然の水源を保護し、環境汚染を最小化することを目的として、今後段階的に地下水の採取を削減・禁止する計画であるという。以下概要を記す。
ホーチミン市の天然資源環境局(DONRE)関係者によれば、この決定は、グエン・タン・ズン首相の承認を受けて現在進めている水供給開発計画(~2025年)に沿って行われたものだという。関係者はまた、同市は地下水の採取を制限し、主な水源としてドンナイ川、サイゴン川などの水系を使用することとなる旨を語った。同市はこれらの水系から一日あたり10万m3を採取することが認められている。計画の実施にあたっては、DONREが、天然資源環境省の水資源計画調査庁(Water Sources Planning and Investigation Agency)と連携し、南部における地下水の採取を禁止あるいは大幅に削減すべき地域を示す地図を作成することとなる。DONREのNguyen Hoai Nam副局長は、過剰な地下水の採取によって資源の深刻な枯渇、汚染がもたらされたと話し、新聞の取材に応じて「今回の市による地下水の採取・使用禁止措置は、わが国の天然資源を保護し、また企業に代替水源の使用を促すために行うものだ」と話した。
段階的な禁止の実施
段階的な取水禁止の時期とその対象地域および工業団地は、次のように予定されている。
~2015年 |
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2016年~2020年 |
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2021年~2025年 |
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対象となる工業団地に説明
2013年6月の最終週、DONREの担当者は工業団地のリーダーに面会し、この地下水の採取を制限・禁止する計画について伝えた。面会時、DONREの水資源管理部長のNguyen Van Nga氏は、初期推計にもとづき、市は8つの工業団地および輸出促進地区のうち48のユニットに、1日あたり3万4270 m3の水の採取を許可したことを伝えた。また、ヴィンロック、タントォイヒエップ、リンチュン(1と2)それぞれの工業団地については、1日3000 m3以上の水を必要としながら地下水以外に水源がないことを理由に、すでに地下水を採取する権利を付与したことも伝えた。
タンビン工業団地の代表者は、サイゴン水道公社による水の供給は、水質・量ともに安定していないと主張し、もし水の供給が不足した場合、買い手は企業から補償を受けられるのかとの質問を呈した。これに対し、Nam氏は「消費者の意見は検討する。また必要があれば計画の修正を行う」と回答している。