Veolia Water、カナダ・サックビル町の水処理プラントの運用契約を5年間更新するも、一部の議員からは不満の声が

2013年9月4日に報じられたところによると、Veolia Water Canadaは、カナダ・サックビル町が所有する水処理プラントの運転業務の契約を更新し、2019年までの5年間、Veoliaが継続してこのプラントの運用にあたることが決まったという。

2014年から2019年の5年間の契約

今回更新された契約は、もともと2007年に締結されたもので、7年間の契約であった。この契約が2014年4月末をもって満了するが、今回の更新により、その後の5年間も継続して、Veoliaが水処理プラントの運用と維持管理を請け負うこととなる。サックビル町の公共事業・エンジニアリング部長のGeorge Woodburn 氏は、議会に対し「プラント運用の品質に基づいて」Veoliaとの合意を更新するよう提言したという。同氏は、プラントの運用と住民への清浄な水の供給において、Veoliaは一流の仕事をしてきたと語る。

またサックビルはVeoliaの能力を「便乗」する形で活用する幸運に恵まれたという。なぜなら、1999年からモンクトンの水処理プラントを手掛けているのもまたVeoliaであるからである。Woodburn氏は、その新しい契約における年間のコストは2007年に承認した際と同額の17万7600ドル(約1778万円)に毎年消費者物価指数の上昇率を織り込んだ額になるという。

町議員からは高い委託費への不満から人材の内部調達を求める声

この町が初めてVeoliaに委託した時、議会は当初、この契約の目的について、同社が長年にわたって蓄積してきた水に関する専門的知見の提供を受けるためだと説明していた。また、町の公共事業職員の中にはプラント運用に必要な資格を保有する者がいない状況から、サックビル町は州から、プラント運営のために適切な教育を受けた人材を確保するための計画を早々に策定する必要があると告げられている。当時、住民や地域の団体の代表者の中には、議会が町の職員を教育せずに外部の企業に業務を発注したことに失望したとして不満を表明した者もいた。

それから7年後、Bill Evans町議会議員は、町が依然としてVeoliaに委託する他に良い選択肢をもちえないことに失望していると話す。Evans氏は、現在Veoliaが提供するサービスは申し分ないと評価した上で、「しかし、事実我々はしかるべき対価を払っているわけです」と付け加えた。「適切な水処理を、もっと低予算で実現することはできないのでしょうか?」と彼は質問した。彼は少なくとも将来の選択肢として、町の職員を教育する、あるいはプラント運用者を雇うことを視野に入れることを検討すべきだとした。

同じく議員のShawn Mesheau氏もEvans氏に賛意を表している。「我々は持てるあらゆる選択肢を検討することを担保しなくてはならないのです。我々は戦略を練る必要があります。私は、Veoliaに何か問題があるとは全く考えていません。我々は、我々の予算の中で最高の価値をもたらさなくてはならないのです。他に何らかの方策が、本当に存在しないのでしょうか?」

町長は他の選択肢の採用には消極的

Veoliaが最初に委託された時に町議会の議員であったBob Berry町長は、同社のサービスの内容に満足しているとした上で、現在何も問題が生じていない事柄を、殊更修正する必要はないとの考えを表した。Berry町長は7年前にVeoliaが着任する以前は、住民は毎日のように町役場を訪れ、汚い水とそのために汚れた衣類についての不満を申し立てていたことに言及した。現在、そのような事態は滅多に起こらない。町長は、他の選択肢を検討することについて、「私は我々が手にしている給水システムをいたずらにリスクに晒すつもりはない。どちらにしたって最終的に我々は安全な水を確保しなくてはならないのだから」と語っている。