2013年10月30日に現地メディアが報じたところによると、オマーンのマスカット行政区、クラヤットでの大規模な民活型造水事業（IWP）にかかる競争入札の事前資格審査に日本、シンガポール、スペイン、およびアラブ首長国連邦（UAE）から12のデベロッパーが申請を行ったという。オマーンの入札委員会が設定した期限は10月29日である。

今回競争入札の事前資格審査申請を行った12社は、以下のとおり国際的な重工業企業を中心とした企業である。

これらの落札候補企業は、事前資格審査を通過した後、ライセンスを獲得する可能性を拡げるため、他のプレイヤーとパートナーまたは提携関係を結び、コンソーシアムを形成すると見られている。

1日2億リットルを生産、マスカットへ送水する15年間の契約

落札した企業は、設計、資金調達、建築、試運転、所有権、操業およびメンテナンスを行う15年間のライセンスを獲得することとなる。契約は発電等を伴わない造水のみのプロジェクトであり、4600万英ガロン（約2億912万リットル）／日の海水淡水化能力が予定されている。オマーンで実施されているすべての民活型発電･造水事業と同様、このクラヤットIWPの開発は、オマーン電力・水調達会社（OPWP）が監督することとなる。OPWPは同国におけるすべての新規の発電･海水淡水化事業の唯一の調達者である。プロジェクトの立ち上げに際し、プロジェクト用地はすでにクラヤット市街の少し南に選定されている。このプロジェクトは同国の開発されていない土地で実施される最大規模の造水（発電を伴わない）プロジェクトとなるという。海水逆浸透技術を採用したこの施設は、送電網から供給される電力で操業する。2016年第二四半期に操業を開始した後、このクラヤットIWPは飲用水をマスカットへと送ることとなる。マスカットへはオマーン北部に位置するバルカー、スハールの海水淡水化プラントから送水している現状下、送水網の東側から飲用水が供給されるのは同国初のことである。

OPWPは、プロジェクトの財政的、技術的、法的な側面について国際的コンサルタントのチームから助言を受けているという。このコンサルタントチームは英国を拠点とするProject Financing Solutions社（財務面）、スペインのAyesa社 （技術面）、およびCurtis社、Mallet-Prevost社、Colt & Mosle LLP （法律面）で構成されている。