ベネズエラ大統領、国家水計画に26億ドルの投入を承認

2014年4月1日ベネズエラのマドゥロ大統領は、2013-2015年国家水計画への167億ボリバル(約26億ドル、約2652億円)の投入を承認したと発表した。環境大臣によると、農村部の181の送水路修復を含む、全国レベルでの403件の水インフラ工事が、ベネズエラ企業により実施されることになる。既に全国で383のプロジェクトの工事が進んでおり、そのうち132は住民が参加する水技術局(MTA)によるものとなっている。水インフラが最も乏しい州のひとつであるファルコン州では、32の工事が、石油公社PDVSAと共同で2億4375万ボリバル(約39億4900万円)で実施されており、新たに1600万ボリバル(約2億6000万円)が水技術局に供与された。

国家水計画は、「2013-2019年祖国計画」の一環をなすものである。祖国計画は、石油資源を初めとする資源ナショナリズムの維持や、歳入の政府による管理、国民の食糧主権の保障などを含む国家財産の保護と強化、資本主義に対抗する21世紀型の社会主義継続、ラテンアメリカ・カリブ諸国の平和維持への貢献、一国覇権主義をなくした世界平和確立への貢献、地球環境保護への貢献を5大柱としており、期間目標として、経済成長率 3-4%、インフレ年20%、原油生産6百万バレル/日、失業率 5-7%、貧困率15%(2011年は24.57%)、大学就学率100%(2011年は86.20%)などが挙げられている。水管理に関する目標としては、送水路の建設、40億リットルの飲料水産出、水域への排水の質改善の為の下水道整備と浄水システム、飲料水の管理や供給システムの独立、飲料水へのアクセス権を人権として国内外に認めさせることなどが挙げられている。

また2013年末の大統領の発表では、2014年の5大目標として、低所得層の住宅問題改善、経済対策、医療問題解決、治安対策と共に、飲料水普及が挙げられている。国家水計画への167億ボリバルの投入承認は、国民の87%をカバーする水道管を供給したにも関わらず、大統領の全国巡回で、40%の家庭で家屋まで飲料水が届いていないのが見られたことから、大統領自ら推進することを強調しているものである。

なおベネズエラでは、2004年に国会が提出した、河川や湖沼などの水資源を商業目的に利用出来る権限を地方自治体に与える法案を大統領が拒否しており、水資源の民営化を阻止したことにより水インフラのレベルは改善したと政府は自賛している。また2013年10月には、水インフラ事業の推進と監視を目的とした、副大統領、環境大臣らからなる大統領付水資源委員会が設立されている。

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