中国環境保護部、「土壌汚染対策行動計画」を策定、近いうちに公表へ

2013年3月3日、中国全国政治協商会議委員、環境部(MEP)の周建副部長は、北京で記者インタビューに応じた。その際、同氏は、環境保護部が「土壌汚染対策行動計画」(以下、「計画」)を現在策定中で、土壌処理の綱領性がある文書としての同「計画」は、2014年年末までには公表が見込まれていることを明らかにした。

MEPの公開データによると、不完全調査ながらその結果として、2006年の時点で、中国で汚染された耕地の面積はすでに1.5億ムー*に達しており、全国耕地総面積である18億ムーの全体の8.3%も占めていた。
また、MEPのある関係者からは、策定中の「土壌汚染防止行動計画」が重点的に以下のような五つの面から展開されるという認識を示していた。すなわち、耕地の優先保護、汚染源のコントロール、汚染地サイトのリスクコントロール、土壌修復におけるモデル事業の実施の5点である。更に、同氏は、同行動計画は、次の3つの特徴が持っていると語った。

  1. 「長」:すなわち同「計画」がカバーする期間は長く、2017年までとなる見込みである。
  2. 「実」:行動計画の内容を確実に実施できるように設定されている。
  3. 「新」:行動計画での措置を更に更新し、国の土壌保護における要求を更なる徹底できるように明確にする。

MEP、国家発展委員会(NDRC)および国家統計局(NBS)が共同で実施していた全国第四回環境産業調査の結果では、中国の環境サービス業の中、土壌処理・生態修復に関連する企業が全体の3.7%しか占めていないことが明らかになった。従って、同分野において、更にグレードアップすべき余地が大きい。

そのほか、最近、中国国土資源部(MLR)副部長兼国務院第二次全国土地調査リーダーチーム弁公室主任の王世元氏から、「中国の土壌汚染問題が深刻であり、全国において、中度・重度土地汚染面積は約5000万ムーで、それは主に経済が発達する地域や裕福な地域に集中している」と第二次全国土地調査の結果を明らかにした。それが、環境保護部門のデータとほぼ一致しているという。

それと関連して、MEPの呉暁青副部長は、2014年3月8日に北京で行った記者会見で、同「計画」の策定が進んでいることを確認し、同「計画」において、「土地利用における土壌汚染防止の監督管理の強化、土壌環境質における監視体制の強化、汚染された土地の修復の強化」などの内容が含まれていることを説明した。

* 「ムー」は中国の面積計量単位で、1ムーは666平方メートルに当たる

タグ「」の記事:

2020年3月23日
中国水利部、「2020年水土保全業務要点」を発表――生産や建設における水土保全関連法規への違反行為を厳しく処罰し、「ブラックリスト」に加えるなど信用管理を実施
2019年12月27日
中国工業情報化部、水利部など、「2020年重点水使用企業水利用効率トップランナー選出業務実施に関する通知」を発表――選出の対象や基本的要件、選出手順など規定
2019年12月3日
中国北京市政府、水環境対策3年計画を発表――汚水処理施設の整備などの措置を提示
2019年12月2日
中国生態環境部、「農村黒臭水対策業務ガイドライン(試行)」を発表――農村黒臭水対策モデル事業の展開も規定
2019年9月18日
中国、「京津冀工業節水行動計画」を発表――重点業種の工業用水の効率化を目指す