2014年3月5日にサウジアラビア現地紙“Asharq Al-Awsat”が報じたところによると、サウジアラビアは増加する水需要に応えるため、2020年までに新しい海水淡水化プラントに18億ドル(約1836億円)を投じる計画であるという。また、このプロジェクトの中では同国で課題となっている海水淡水化プラントのエネルギー効率向上に取り組まれると見られている。
エネルギー効率の高い海水淡水化プラントを目指す
サウジアラビアの国営企業、海水淡水化公団(SWCC:Saline Water Conversion Corporation)のチーフであるAbdulrahman bin Mohamed Al-Ibrahim氏は、エネルギー効率か高く燃料消費の少ない水ビジネスを構築することが大切であると指摘する。海水淡水化プラントはサウジアラビアで2番目に多くの燃料を消費する部門であり、1日で最大30万バレルの石油を消費するという。Asharq Al-Awsatによると、これはSWCCおよび国内の専門家にとって重大な懸念事項であるという。
こうした状況下、Asharq Al-Awsat によれば、同国では石油鉱物資源省、水・電力省、および財務省が共同して燃料効率の高い発電・淡水化(IWPP)プロジェクトを立ち上げる予定であるという。このプロジェクトでは新たに承認されるプラントの効率を、現在ラスアルカイルおよびヤンブーで実施されているプロジェクトと同様に70%に引き上げるとAl-Ibrahim氏は語る。サウジアラビアは世界で最大の海水淡水化による造水量を有しており、SWCCでは、同国の東西湾岸地域に展開するプラントを通じ、サウジアラビアの水需要の60%を供給している。
2件の大規模プロジェクトの契約締結の他、プラントのリノベーション計画も進行
また、SWCCは2つの大規模プロジェクトを通じて民間企業とパートナーシップを締結した。ひとつはシュアイバ・IWPPプロジェクトであり、もうひとつは100万m3近い脱塩水製造能力をもつシュケイク・プラントである。さらに、SWCCはこれまで、プラントのリノベーション(再生)計画を3件実行してきた。その3件のリノベーション計画は2000年に開始し、2015年に完了する予定である。これらの計画により、プラントの寿命は15年間伸びるという。