VeoliaグループのSIDEM社は、2014年6月11日、アラブ首長国連邦(UAE)のMasdar社と海水淡水化プログラムに関する協力合意を締結した。2013年にUAEが打ち出した同プログラムの長期的な目標は、環境にやさしい新技術を試験・開発し、再生可能エネルギーを利用できる複数の淡水化プラントを国内に設置することである。
技術協力の第一段階として、VeoliaグループとMasdar社は共同出資でガントート(Ghantoot)において原型プラントを建設・操業する。原型プラントの操業期間は15カ月であり、性能試験期間と最適化期間に区分される。同プラントでは、溶解空気浮選と濾過を組み合わせた高効率の海水前処理技術等を導入することにより、非常に高い塩分濃度(最高52 g/リットル)、高い水温(最高42℃)、かつ海藻類の含まれた海水を処理することが可能となり、再生可能エネルギーを用いることで98%のエネルギー回収率を達成することができる。なお、同プラントで製造された淡水は実際に飲用水として供給される。
Veoliaグループは、今般の協力合意がUAE以外の湾岸諸国における大規模な海水淡水化プロジェクトの呼び水になることを期待している。Veolia湾岸諸国のグザヴィエ・ジョゼフ(Xavier Joseph)最高経営責任者は、合意締結に際して次のようにコメントしている。「Veoliaは淡水化セクターにおける世界的なリーダーとして、Masdar社により再生可能エネルギーを利用する淡水化プログラムのパートナーに選ばれたことを光栄に思う。Masdar社との緊密な協力のもとに推進されるこの共同開発プロジェクトにより、持続可能な次世代の淡水化技術の発展が見込まれる」