Suez Environnmentは、2014年7月23日、子会社であるDegremontを通じて、蒸発技術(evaporation)および結晶化技術(crystallization)に特化したスイスのエンジニアリング企業であるEvathermの株式を取得したことを発表した。今後2社は、Evathermの有する広範かつ独自の技術とSuez社の浄水・排水処理技術を融合することで、水の利用効率および排水ゼロ技術(ZLD:zero liquid discharge)に関連した革新的なソリューションの開発に向けて協力していく。この協力関係の目標は、オイル・ガス産業、化学産業、発電産業および鉱業のそれぞれの産業分野の顧客に対して高付加価値なソリューションを提供することである。
水の消費量の削減、排水中の資源の回収、および、環境影響の管理、これらは産業界にとって環境を保護するだけでなく資源の均衡を保つうえで、ますます大きな問題になりつつある。このため、副産物の回収を確実なものにする最先端技術に対するニーズは今まで以上に不可欠となっている。
30年以上にわたる経験を備えるEvathermは世界的な専門家集団であり、かつ、化学産業をはじめとする各種産業分野に対して高品質な塩を製造する蒸発技術および結晶化技術に関するエンジニアリングサービスおよび関連装置のリーディング企業である。蒸発および結晶化は、溶液が時間をかけて降下することによる固形結晶形成工程において重要な役割を果たす。これらふたつの技術は環境保護に対しても応用でき、すなわち、排水から塩分を除去することで結果として90%以上の効率で水のリサイクル・ソリューションに繋がるのだ。結晶化は非常に繊細な工程であるため、技術の信頼性、エネルギー効率、および経済性を保証するためには、長い経験と専門性が求められる。
今回のEvvathermへの投資は、産業水処理市場での成長を狙うSuez社の戦略を示すものである。そして、世界中の産業顧客に対して、その分野で最高のソリューションを提供できる事業ポートフォリオの構築に向けた専心を表すものでもある。