ドイツの連邦環境省と連邦建設省は2014年11月27日、ベルリンの会議で、自国の環境技術の輸出促進を目的とした最新の業界ガイドブック≪環境技術アトラス4.0≫を紹介した（近日中に公開予定）。これに伴い、インターネットポータルサイトGreentech made in Germanyが開設された。本ポータルサイトは、ドイツの環境技術市場をめぐる情報や、2000社以上の環境技術企業のプロフィールを網羅していて、中核的な情報基盤として環境技術の輸出に資するものである（以下のリンクに、英語版のポータルサイト）。
http://www.greentech-made-in-germany.de/en/

連邦環境省によると、環境・エネルギー効率化技術を取り巻くドイツ内外の市場動向は次のとおりである。

(1)　ドイツの環境・エネルギー効率化技術は今や、機械設備産業、自動車産業、化学産業、電機産業など、古くからある産業部門にもしっかり根付いている。一方、環境・エネルギー効率化分野では、新会社の設立ラッシュが続いている。この部門では7社に1社が新会社である。

(2)　環境・エネルギー効率化技術は、ドイツ国内の重要な成長エンジンであるだけでなく、国際的にも巨大な需要がある。グローバル市場の規模は、2013年で約2.5兆ユーロ（約368兆円）に達し、2025年には5兆ユーロ（約735兆円）を超える見込みである。これは年あたり約6％増である。世界市場に占めるGreentech made in Germanyの割合は現在、約14％である。

(3)　ドイツ国内の同市場規模は現在、3440億ユーロ（約51兆円）である。部門全体で年平均6.6％ずつ成長し、2025年には約7400億ユーロ（約109兆円）に達する勢いである。これは雇用の創出にもつながる。中心的な7業種（エネルギー効率、環境に優しい発電、エネルギー貯蔵と供給、循環経済、持続可能な移動、持続可能な水事業、原料と資源効率）の2012年の被雇用数は約150万人であった。今後2018年まで、被雇用者数が毎年平均7％程度ずつ増えていく、と予想される。

(4)　建設や都市開発の分野でも、環境関連の市場が膨張している。ドイツにおけるその市場規模は、2013年に約830億ユーロ（約122兆円）であった。これはドイツにおける総建設事業費の27％を占める。

連邦建設省のG・アドラー次官は、「グリーンテクノロジーは、もはやニッチ商品ではない。だからといって、それに安住してよいわけがない。環境・エネルギー効率化技術の世界市場は拡大しつつあり、ドイツの企業にとって大きなチャンスが到来している。だから連邦経済省とも協力して、環境技術の輸出イニシアチブを推進していきたい」と述べた。