ペルー・リマ市南部で、国内初の飲料水用淡水化プラントが2018年より稼動予定

リマの上下水道サービス会社SEDAPALは2015年1月15日、リマ市南部の海水浴場地区の、ペルー初の飲料水用淡水化プラント建設プロジェクト(PROVISUR)開始は、2015年12月となると発表した。建設は24ヶ月を予定しており、2018年初からの稼動が見込まれている。

この恩恵の対象となるのは、リマ市南部の海水浴場であるプンタ・エルモサ地区、プンタ・ネグラ地区、サン・バルトロ地区、サンタマリア・デルマール地区に居住する2万5000人の住民と、夏季に訪れる海水浴客10万人となる。現在これらの地区では飲料水は、数日おきに数時間供給されるのみとなっているが、プラント稼動により、毎日24時間の供給が可能となる。

PROVISURは25年間のコンセッションにより運営され、淡水化プラントは、2013年末にスペインのTedagua社が落札した。投資総額は1億米ドルで、2018年に稼動する第一段階では250リットル/秒の飲料水が海水から生産され、第二段階では400リットル/秒が生産されることになる。またこれ以外に、汚水処理プラントも建設され、処理された水は、公園の散水に使用、又は海に放水される。

SEDAPALの報告書では、リマ市の飲料水の供給源は、2013年現在82.1%が上水処理場、17.9%が地下水となっている。淡水化プラントは、海水の取り込み、予備処理、淡水化、塩水廃棄の4段階のプロセスからなるが、生産される飲料水の質は、政令No.031-2010-SAの規定に従い、以下のパラメータを遵守することが、SEDAPALから報告されている。

  • 飽和指数(LSI): -0.4 以上、 +0.4以下
  • CaCO3硬度: 200mg/l以上、500mg/l以下
  • TDS:500ppm以下
  • ホウ素濃度: 1.5mg/l以下
  • 濁度: 1 NTU以下
  • 残留塩素: 1.2mg/l以上2mg/l以下
  • 従属栄養細菌: 35℃で250 UFC/ml

尚Tedagua社は既にペルーではTaboada汚水処理プラントを建設し、25年間運営している。2013年に開設した新しいプラントは南米最大級のもので、平均14m3/秒、最大20.3m3/秒の処理能力を持ち、リマ市とカジャオ市の56%の住民に恩恵を与え、両市の汚水の72%を処理している。

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