米カリフォルニア州知事、大規模な節水と取り締まり強化のための地事令を発表

2015年4月1日、Edmund G Brownカリフォルニア州知事は、「今、歴史的な干ばつに対処するためには前例の無い活動が必要である」と、州全体にわたる大規模な節水、取締りの強化、水基盤プロジェクトの優先、新しい節水技術を支援する地事令B-29-15を発行した。

知事令の主な内容は以下の通り。

節水

  • カリフォルニア州全域の市と町の水の使用量を25%削減する。
  • 地方政府と協力して約450万m2の芝生を干ばつに強い景観に変える。
  • 古い機器を節水性が高く、省エネ性能が高い機器に交換するためにカリフォルニア全州に一時的な消費者リベート・プログラムを設立する。
  • 大学のキャンパス、ゴルフ場、共同墓地、大規模な庭園などに大幅な節水を求める。
  • 新築の家や造成地では、水効率の良い点滴灌漑システム(drip irrigation system)を除き、飲用水での灌漑を禁止する。また、公道の中央分離帯の芝への散水を禁止する。

執行の強化

  • 水の使用と浪費の削減のための効果的な手段として、水保全価格を導入するために料金体系を見直すように地方水道局へ要請する。
  • 農業用水使用者は、州の監督部局に水の使用量を報告しなければならなくなり、その結果、違法な分水、浪費、不必要な水の使用を取り締まる州の執行能力を強化する
  • 大規模農業用水利用区により提出された『農業用水管理計画』に関する標準を強化し、さらに、小規模農業用水利用区も同様な計画を作成しなければならなくなった。この様な計画により、農業コミュニティは干ばつが2016年まで続いた場合に備えることができるようになるだろう。
  • 地下水域に関するデータを州とシェアしていない水担当部局を取り締まる。
  • 住宅地域におけるトイレ、蛇口、屋外景観に関する標準を改定し、こういった標準を無視しているコミュニティを取り締まる。
  • 水の使用、保全、および地方の水道事業者による執行活動に関する月報制度を恒久的に制定する。

政府の対応の効率化

  • 水基盤プロジェクトのレビューと意思決定を優先させる。州機関は、90日以上止まっている申請について州知事オフィスに報告しなければならない。
  • 人の利用や絶滅危惧種の生息地保護に必要な上流水源への淡水供給を維持するために必要な緊急干ばつ塩害バリアの許可とレビューを効率化する。
  • ボランタリーの水の運搬や緊急飲み水プロジェクトに関するレビューと許可を簡素化する。
  • 井戸が枯渇した家から上水道が装備された家へ移る必要がある家庭のために臨時の引っ越し支援を行なうように州の機関に指令した。

新しい技術への投資

  • カリフォルニア州エネルギー委員会が運営する新しいプログラムを通じて、カリフォルニア州をさらに節水能力が高い州にすると有望視されている新しい技術を奨励する。

カリフォルニアはこの2年間、かつて無い干ばつに悩まされており、山の積雪量、水源の貯水量は過去最低レベルを記録している。

ブラウン知事の州知事令は以下のURLで読むことができる。
http://gov.ca.gov/news.php?id=18910