Aqualia、インドおよび米国市場への進出を強化

スペインの総合建設会社FCCの子会社の上下水道運営会社であるAqualiaは、インドおよび米国の水市場に進出を強化している。インドでは、飲料水供給インフラ建設契約を、現地パートナーと一緒に獲得し、Aqualiaにとって同国での更に大きなプロジェクトへ参入する為の下地とする。また米国では、同国の市場に参入する為のオフィスを開設中である。これら2ヶ国への進出は、同社の成長に向けた新たなステージとなり、国際市場での発展戦略を強化するものとなる。

FCC社は2014年11月、メキシコの世界2位の富豪であるカルロス・スリム氏が26%の株を取得して筆頭株主となり、エステル・コプロウィッツ氏とその家族が22%の支配株主となっている。同社は、水インフラ事業と都市サービス事業に、年間4億ユーロを投資する予定となっている。

FCCの水インフラ事業を担うAqualiaは、中南米市場で大きく成長する見込みであり、特にペルーとチリでビジネスチャンスがあるとみている。その他、パラグアイ及びパナマも、FCCによるインフラプロジェクトへ参入をにらんでいる。その他中東でも、サウジアラビアとアブダビで積み上げた経験により、他国への扉が開かれることを期待している。

Aqualiaの水事業は、既に17ヶ国で展開しており、FCCグループ内では第3位の収益源となっている。2014年の売上高は、グループ全体の15%を占める10億ユーロに達し、金利・税金・償却前利益(EBITDA)は26%を占める。

尚カルロス・スリム氏は2015年6月にFCC社と、同氏が所有するカルソグループの建設会社と、メキシコでの経験を生かしたインフラ建設プロジェクトに、米州全土で共同で取り組むことで合意した。FCCは建設部門では、トロントの地下鉄やロサンゼルスの橋梁プロジェクトや、パナマ及びペルーの地下鉄プロジェクトに既に参入している。FCC社の建設部門は、2014年の収入の半分の20億ユーロをスペイン国外の市場で得ているが、中南米市場がその牽引となっている。同社は2年前からの経営健全化とリストラを経て、今年は収益性向上と成長の年と位置付けており、環境事業及び水インフラ事業の国際化強化を図っている。