中国浙江省、水汚染防止行動計画策定へ

中国浙江省環境保護庁は2015年8月10日、「浙江省水汚染防止行動計画(意見徴収稿)」を公表した。この意見徴収稿によると、2020年までに、全省で省・国家の環境保護部門の72%以上のモニタリング場所の水質をI~III類とし、接続場所(中国語で「交接断面」:行政区域をまたぐ河川の接続場所をいう。水質が上流の接続場所より悪くなれば、この行政区域が水質汚染を引き起こしていることを表す)の水質の基準達成率70%を成し遂げ、劣Ⅴ類の場所をほとんどなくすことを目指す。

現在までに、浙江省環境保護庁のモニタリング場所は221ヵ所ある。2014年においてI~III類であった場所はうち141ヵ所であり、2020年までにI~III類72%以上を達成するためには、III類の場所をさらに19ヵ所増加させる必要がある。この目標を達成するために、「行動計画」は工業汚染防止、都市・鎮の生活汚染改善、農業・農村の汚染防止、船舶・港の汚染抑制に取り組み、全省の水環境汚染改善を推進すると明らかにしている。

浙江省環境保護庁の関係責任者によれば、今回の「行動計画」は水質の改善を図り、重汚染・エネルギー集約型産業の整備・改善を徹底させ、鉛蓄電池・電気めっき産業の改善を持続して推進し、製革・捺染・製紙・化学工業などの産業の改善を促す。同時に、経済技術開発区・ハイテクノロジー産業開発区・輸出加工区などの工業団地の汚染を改善させる。2016年末までに、工業団地の汚水集中処理施設は、関連規定に基づいてすべて建設される見込みであり、ライブモニタリング装置も設置される予定である。工業団地は、期限内に改善作業を完了できなければ、その団地における水汚染物の排出をもたらす建設プロジェクトの審査・批准手続きが一時中止され、関連規定に基づき工業団地の資格が取り消される。

国務院より公表された「水汚染防止行動計画*1」(いわゆる「水十条」と呼ばれる政策文書)において打ち出された主要方針は、汚染物の排出を全面的に抑制することである。工業汚染防止および都市・鎮の生活汚染改善はうちの2大分野である。都市・鎮の生活汚染改善を狙い、浙江省は汚水処理施設の建設・改造を速やかに促進する。2015年末までに、銭塘江流域・太湖流域における汚水処理場は水質の一級A基準(「都市・鎮の汚水処理場の汚染物排出基準」GB18918-2002の中で、処理後の水質は一級A・一級B・二級・三級にわけられる。一級Aは最も厳しい)に適合させるために全面的に改善を行う。2016年6月末までに、銭塘江流域・太湖流域の汚水処理場の処理後の水質はすべて一級A基準に適合させる。さらに、2017年末までに、汚水処理場の改造は全面的に済み、全ての汚水処理場は一級A基準に適合させる。付帯したパイプラインネットワークの建設を強化し、2017年末までに新しい汚水パイプラインネットワークを6000 km以上建設させる方針である。

*1 EWBJ54号に関連記事有り「中国国務院、水汚染防止行動計画(水十条)を発表――水質汚染改善の中長期的目標やそのための措置について盛り込む

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