フランス政府、工業施設跡地の浄化手続きの簡素化と再利用促進に関する政令を発出

フランス政府は2015年8月20日付の共和国官報において、7月に成立したエネルギー転換法を適用するための「環境法典L.512-21条の適用に関する2015年8月18日の政令n°2015-1004」を公示した。同令は、工業施設跡地の浄化に係る手続きを簡素化し、サイトの再利用を促進することを目的としている。実際、優先的に保護すべき農地や自然地域と比較して、工業施設跡地には潜在的な利用価値がある。

従来、環境保護指定施設(ICPE)に分類される工業施設が操業を停止した場合、最後の操業者がサイトの安全と将来の用途に応じた浄化を保証する責務を担ってきたが、「住宅へのアクセスと新たな都市計画のための2014年3月24日の法律」により環境法典にL.512-21条として挿入された規定では、ICPEの浄化作業の代行を第三者(たとえばデベロッパー)に命じる権限が知事に認められている。この環境法典L.512-21条により、操業者が行うよりも低コストかつ迅速に浄化作業を実施することが可能になる。

今般の8月18日の政令には、浄化作業や再利用に対する環境の保護を保証する上で、以下のような規定が盛り込まれている。

  • 知事から浄化作業を付託された第三者は、作業費用見積りと同額の金融保証を受けなければならない。この措置により、第三者が浄化作業を完遂できなくなった場合は、行政が金融保証を動産化して作業を引き継ぐことが可能になる。
  • 当該施設の操業者は依然としてサイトの汚染について最終的な責任を有する。何らかの事情で金融保証を動産化できなかった場合は、操業者がサイトを浄化しなければならない。したがって、汚染者負担の原則は今後も貫徹される。

なお、政令の全文は下記URLから入手可能である。
http://www.legifrance.gouv.fr/affichTexte.do;jsessionid=3CB73C872A8CD5F58C7B951269D490F6.tpdila09v_3?cidTexte=JORFTEXT000031056735&dateTexte=&oldAction=rechJO&categorieLien=id&idJO=JORFCONT000031056523