米NY州のGE旧施設から放出された有害物質による地下水汚染を州と連邦当局が指摘

米国の「Hudson River Natural Resource Trustees(以下Trustees)」が2015年9月3日に発表した2015年8月17日付の報告書によれば、ハドソン川沿いのHudson Falls、Fort EdwardおよびStillwaterという 3つの町の地下水が、General Electric Co.(GE)が長年Hudson FallsとFort Edwardで運営していた製造施設から土壌、地表水および地下水に放出されたポリ塩化ビフェニル(PCB)や揮発性有機化合物(VOC)を含む有害物質によって汚染されている。
上記Trusteesは、ニューヨーク州環境保護局(NYSDEC)、連邦内務省(DOI)、および連邦商務省(DOC)海洋大気局(NOAA)で構成されている。
この報告書は、「ハドソン川天然資源損害評価(Hudson River Natural Resource Damage Assessment)」の一環として発表されたInjury Determination Report–Hudson River Groundwater Resources(損傷判定報告書、ハドソン川地下水資源)というものである。

この報告書の要点は、次のとおりである。

  • Hudson FallsとFort EdwardのGE施設近辺の地下水に含まれるPCBは、20年以上前からニューヨーク州の上水道のPCBの水質基準値である0.09 ppbを超えている。また、これらの施設近辺の地下水に含まれるVOCも、20年以上、同州のVOCの水質基準値である5 ppbを超えている。そして、Stillwaterの井戸水に含まれるPCBは、8年以上にわたって同州のPCBの水質基準値である0.09 ppbを超えている。
  • 包括的環境対策補償責任法(CERCLA)とスーパーファンド改正・再認可法(SARA)のもとで、これらのTrusteesは、環境に放出された有害物質によって引き起こされた天然資源の損傷、天然資源への損害あるいは天然資源の損失を評価し、損傷を受けた資源と同等のものに修復し、あるいは同等のものを確保する権限がある。
  • Trusteesは今も、GE施設から環境に放出された有害物質によって引き起こされたハドソン川の環境における天然資源の損傷、天然資源への損害あるいは天然資源の損失(地下水資源の損傷と損害を含む)を評価し、そのような損傷を数値で表し、損害を判定し続けている。ハドソン川天然資源損害評価の目的は、次のとおりである。
  1. GE施設から放出された有害物質によるハドソン川評価区域における天然資源の損傷や天然資源の有用のものの損失を評価する。
  2. 損傷を受けた資源を基準の状態に戻すための行動について計画し、実施する。
  3. 関連する一時的なサービスの損失について評価区域に住む住民に補償する。

この報告書は、以下のURLで閲覧できる。
http://www.fws.gov/contaminants/restorationplans/hudsonriver/docs/Hudson%20River%20GW%20Injury%20Determination%20FINAL%20August%202015%20(2).pdf