オランダ環境省、今後6年を対象とした新たな「国家水計画」を策定

オランダ環境省のSchultz van Haegen大臣は2015年12月16日、新たな『国家水計画(National Water Plan)2016~21年』を下院に送付した。新「国家水計画」は今後6年間に、水害からどのように国民を守るかを明確にすると同時に、いかにして水をクリーンにしていくかの基本的な国の方針を定めるものである。オランダ政府は、本計画を通じて、オランダが水管理の世界的なリーダーとしての地位を維持するとともに、水と共存する生活について国民を啓発していくための施策を講じていくことにしている。そのあらましは次のとおりである。

オランダの目標達成

「新国家水計画」は5つの目標を達成することに注力していく。オランダが世界で最も安全なデルタ地帯になることを、オランダ政府は望んでいる。洪水安全基準を改正することで、この目標を達成する。次にオランダ政府は、水質改善のための予算を増額した。肥料、農薬、医薬品残留物、マイクロプラスチックの水質濃度を引き下げていく。これによりオランダの水質はよりクリーンで健全なものとなり、淡水の適切な供給を確保できるようになる。オランダ政府は、オランダが気候変動に強く、水供給の安定した国になることを望んでいる。さらに政府は、同国が水管理と水イノベーションの先駆けとなり、またそうあり続けることを希望している。

気候変動

気候変動は、オランダのデルタ地帯に深刻な影響を与える。大きな嵐が来れば海面の水位が上昇し、大量の水が河川に流入する。頻繁な豪雨や、熱波、旱魃の影響も大きい。堤防を強化し、河川を広げ、雨水回収のオプションを増やすことが必要である。河川や海面は国境と関係ないことから、欧州レベルで水に関する協定を取り結ぶ必要がある。

ファクト

堤防を今後強化しない場合、オランダの6割が定期的に洪水被害にあう、と予想される。GDPの7割を占めるこのような地域に約900万人が居住している。オランダ経済の約16%は、適切な淡水供給に依存している。こうした淡水依存部門は、年間1930億ユーロ(約25兆円)超の売上高を達成している。

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