ラテンアメリカ開発銀行と米州開発銀行、農村部の水と衛生施設の普及状況をまとめた報告書を発表

ラテンアメリカ開発銀行CAFと米州開発銀行IDBは、報告書「ラテンアメリカの農村部における水と衛生施設の普及の現状」*1を発表した。それによると現在ラテンアメリカでは、農村部に住む4600万人が衛生施設へのアクセスがなく、2100万人が飲料水へのアクセスがないという。報告書ではこの他、主なポイントとして以下がまとめられている。

  • ラテンアメリカ・カリブ諸国では、都市化が進んでいるものの、農村が消滅することはなく、2030には農村部人口が30%以上となる見込みの国もある。
  • 水と衛生施設整備は、都市部と農村部でまだ開きがあるが、エクアドル、ボリビア、ホンジュラス、ニカラグア、ペルーなどでは地元住民の参加による整備が成功している国もある。
  • 農村部での水と衛生施設の整備プロジェクトにおいては、施設の建設よりも、サービスの質と継続性を優先すべきであり、そのためには、プロジェクト実施後のモニタリングが重要である。ボリビア、コロンビア、メキシコ、ニカラグア、ペルーなどでは、地方政府による、地元住民や上下水道会社への技術サポートが提供されている。

国別の衛生施設普及率および給水施設普及率はそれぞれ下図の通りである。

201608036a
図 ラテンアメリカ農村部における国別の衛生施設普及率
(出典:「ラテンアメリカの農村部における水と衛生施設の普及の現状」よりエンヴィックス作成)

201608036b
図 ラテンアメリカ農村部における国別の給水施設普及率
(出典:「ラテンアメリカの農村部における水と衛生施設の普及の現状」よりエンヴィックス作成)

*1 http://scioteca.caf.com/bitstream/handle/123456789/918/Agua%20y%20saneamiento%20en%20la%20nueva%20ruralidad.pdf?sequence=1&isAllowed=y

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