Veoliaドイツ、水・エネルギー・廃棄物分野を統合した初の持続可能性報告書を発行

Veoliaドイツ社が2016年8月30日、2015営業年度を対象とした同社初の事業包括的な持続可能性報告書*1を発行した。それによると、同年度の総売上高は17億ユーロ(約1900億円)で、前年度比0.9億ユーロ(約100億円)減であった。同社の事業分野は、水、エネルギー、廃棄物処理の3分野であるが、報告書ではそれぞれの分野の目標、実施事業、進捗状況を総合的に述べている。同社は「世界のための資源」という社是を掲げ、数多くのプロジェクトを通じて「スマートな循環経済」に寄与している。たとえば、ペットボトルの「ボトルからボトルへのリサイクル」によるCO2の発生抑制、下水からの原料やエネルギーの回収、そしてまた「居住地区単位のエネルギー効率」化事業などのソリューションを通じて、スマートな循環経済に寄与しているという。

Veoliaドイツ社の2015営業年度の各事業分野の実績は次のとおりであった。

上下水道事業

ドイツの230市町村と委託契約を結んだ。給水施設44カ所、下水処理施設116カ所を運営した。これにより飲料水供給サービスを受けたドイツ住民は87万9000人、下水処理サービスを受けた住民は80万5000人である。飲料水供給量は5000万m3、下水処理量は4700万m3であった。

エネルギー供給事業

全長4582kmの送電網を運営した。電力・ガスの顧客は全国34万人である。ガス供給網は全長1761km、熱供給網は全長689kmであった。総電力生産量は14億1000万kWh(そのうち再生可能エネルギー電力は約11%)である。

廃棄物処理事業

1200万人以上の一般住民から排出された廃棄物を処理した。また、11万事業場以上の商工業部門の顧客から排出された廃棄物を処理した。処理廃棄物は年間430万トンである。そのうち産業廃棄物の収集・処理量は4万6220トンであった。処理済み廃棄物の9割が有価物として生産サイクルに再投入された。さらに、有価物の分別と再利用などのサービスによって70万トンのCO2排出量の発生が抑制された。

なお、労働安全衛生分野では、同年度の事故発生件数は100万労働時間あたり2.5件以下であった。

*1 http://www.veolia.de/sites/g/files/dvc166/f/assets/documents/2016/08/Veolia_Nachhaltigkeitsbericht_2015_Vorschau_1.pdf