中国工業情報化部および環境保護部は、2016年8月18日、「汚染防止重点産業クリーン生産技術推進方案」(以下、本方案)を制定した。本方案は、製紙、捺染をはじめとする11重点産業におけるクリーン生産技術改造を推進するために制定されたものであり、公布と同時に施行された。本方案の実施により、新規工業用水量の削減、水重複利用率の向上、水汚染物質発生の削減、汚染物総量規制の厳格化、水環境の継続的な改善などの成果が期待される。
本方案によれば、製紙、食品加工、製革、紡績、窒素肥料、農薬、コークス精錬、原薬製造、染料顔料製造など11重点産業による水汚染物質排出量は、工業全体の50%を占めている。したがって、これらの分野に対して重点的に、先端クリーン生産技術の適用および普及を推進し、廃水量およびCOD、アンモニア窒素、クロム汚泥などの汚染物の排出量を削減することが重要である。本方案には、各分野に応用可能なクリーン生産技術とその適用範囲、技術紹介、対応の問題、将来展望などが盛り込まれた。
本方案の実施により、企業には積極的にクリーン生産技術を導入し、技術改造を推進することが求められるようになった。中央企業集団はグループ会社のクリーン生産技術改造に資金提供などの支援を行わなければならない。
また、各レベルの工業情報化主管部門は、クリーン生産、技術改造、工業構造転換・グレードアップ特別資金・特別建設資金及びグリーン貸付などの資金を活用し、企業の技術改造を支援する。条件を満たしたプロジェクトを優先して支援するなどの支援手段も認められる。水汚染防止関連支援資金について、排出基準達成前提に本方案に列記された技術改造を実施し、主要汚染物質あるいは該当地域における基準超過汚染物質の排出量を削減できるプロジェクトを支援することが可能である。
「汚染防止重点産業クリーン生産技術推進方案」の原文は下記のURLにて閲覧可能である(中国語:簡体字)。
http://www.miit.gov.cn/n1146290/n4388791/c5246077/content.html