世界のネットワーク化が進むにつれ、ほとんどすべてのプロセスが何らかのデジタル技術に依存するようになってきている。水ビジネス業界もその例外ではない。GE PowerのWater & Process Technologies部門は、水道網とその管理における喫緊の問題に対処するためのデジタル・ソリューションの提供能力を高めることを目的に、水アナリティクスと水技術の分野をリードする2社――WaterSmart SoftwareとSmart Earth Technologies (SET)――と協力することで合意に達したことを明らかにした。
これについてWater & Process Technologies部門のRalph Exton最高マーケティング責任者はこう述べている。「データ、遠隔制御、それにアナリティクスを利用することで、われわれは水道ユーティリティの運営に転換を図り、効率の改善とともにサービスと顧客に提供する価値の向上にも寄与していくつもりだ。こうしたニーズに応えるべく、われわれはWaterSmartおよびSETとの協力によってこの分野における両社のすぐれた専門性とアナリティクス技術をユニークな方法でわが社の技術と結びつけ、水道ユーティリティに新たな価値を提供していく所存だ」
InSightプラットフォーム上でのアプリケーションを共同で開発
今回の2社との合意をうけてGEのWater & Process Technologies部門は、既存のInSightアセット・パフォーマンス管理(APM)プラットフォーム上でのアプリケーションの開発・展開により、水道ユーティリティの効率改善と消費者エンゲージメントの強化に貢献していく考えを示している。
すでに2社との共同開発が進んでいるアプリケーションとしては、たとえば水道料金請求情報の通知、漏洩箇所の特定、弁の遠隔操作、決定事項の通知、および水の利用状況の的確な把握をおこなうデジタル消費者コミュニケーション・エンゲージメント・ツールがある。こうした情報により、水道利用者は自らの水消費習慣を把握し、水道料金を節約するとともに、復旧に費用のかかる水漏れなどの損害から財産を守ることがこれまでより容易になる。いっぽう、水道ユーティリティは、こうした消費者セルフサービス型アプリケーションを活用した消費者の要望等の先取り、戸別訪問の必要性の最小化、および料金収納率の改善により、個々の消費者へのサービスのコストを低減することができる。
今回の合意について、WaterSmartのRobin Gilthorpe CEOはつぎのように述べている。「すでに実績のあるわれわれの顧客エンゲージメント・アナリティクス・プラットフォームは、先見性のあるデータ解釈を通してユーティリティと利用者を結びつけ、利用者が自らの水道費用をコントロールできるようにするもので、それによって両者の関係はより緊密なものとなる。われわれはまた、利用者がユーティリティから重要な情報を受け取るタイミングと方法を選択できるようにして、利用者のエンゲージメントと満足度をさらに高めることもしている。こうしたわれわれの技術力を活用することで、Water & Process Technologies部門のデジタル・ソリューションは世界中の水道利用者に最良のサービスを提供できるものへとさらにスケールアップしていくことだろう」
これに関しては、Water & Process Technologies部門もデジタルの技術力を絶えず強化しており、自治体やユーティリティの接続環境や情報環境をさらに整えることによって、水ビジネスの未来を見通しのよいものにすることに貢献している。
また、SETのDavid Duncan CEOはこう述べている。「水がどのように、いつ、どこで使われているのかを詳しく知ることにより、はかりしれないほど貴重な情報をユーティリティと利用者の双方に提供することができる。Water & Process Technologiesと手をたずさえて、われわれはデジタルの技術力と水分野での専門的知見を活用し、利用者とユーティリティが水の消費をよりよく管理・抑制することのできる相互にメリットのある魅力的なソリューションを創造することができるだろう」
こうした消費者エンゲージメントのためのアプリケーション開発は、Water & Process Technologies部門が現在開発中の一連のソフトウェア概念実証をさらに強化するものである。Water & Process Technologiesがすでに公表している概念実証には、American Waterとの協働によるパイプライン健全性ソリューションや、MWH Globalとの協働による合流式下水道越流水ソリューションなどがある。