中国3つの行政機関、「重点流域水汚染防止計画(2016~2020)」を公布

2017年10月12日、環境保護部、国家発展改革委員会、水利部は共同で「重点流域水汚染防止計画(2016~2020)[1]」(以下、「計画」と略称)を公布した。第5期重点流域水汚染防止の5カ年計画である同計画では、「水汚染防止行動計画」の具体策が打ち出されている。その目標は、水環境質の改善である。山地、水域、林地、農地、湖沼、草原の全面的な保護、および水資源、水生態系、水環境の「三水統一計画」という方針に沿って、規制区画ごとに流域を区域、等級、分類に応じて管理するという差別化された要求を明確に定めており、各地における水汚染防止業務に対して指針を提供している。

同計画では、「水十条」で制定された7つの重点流域の水汚染防止計画の実施を図るとともに、浙江省や福建省の河川、西南地区の河川、西北地区の河川などの流域に対する実施計画についても打ち出している。さらに、「水十条」の水質目標を各流域に割り振り、各流域における汚染防止の方針や、北京・天津・河北地区、長江経済ベルト地域における水環境保護の重点も明らかにされており、全国の重点流域を網羅した計画としては初の水汚染防止計画となる。

同計画では、全国の規制区画1784ヵ所を基礎として、優先規制区画580ヵ所を選出するとともに、さらに、同優先規制区画を水質改善区画283ヵ所と悪化防止区画297ヵ所に細分化している。また、優先規制区画の主な汚染防止業務や、分級分類された綿密な管理の実施についても打ち出されている。

さらに、工業汚染の防止、都市生活汚染の防止、農業農村汚染の防止、流域水生態系の保護、飲用水源環境安全保障など5つの重点任務が明らかにされており、飲用水源地の汚染防止、工業汚染の防止、都市汚水処理および付帯施設の建設、農業農村汚染の防止、水環境総合対策など5種類の事業も確定されている。また、今後は、中央政府と各省のプロジェクトデータベースを接続し動的な管理を実施する計画である。

[1] http://www.mep.gov.cn/gkml/hbb/bwj/201710/W020171027375543214744.pdf

タグ「」の記事:

2020年3月23日
中国水利部、「2020年水土保全業務要点」を発表――生産や建設における水土保全関連法規への違反行為を厳しく処罰し、「ブラックリスト」に加えるなど信用管理を実施
2019年12月27日
中国工業情報化部、水利部など、「2020年重点水使用企業水利用効率トップランナー選出業務実施に関する通知」を発表――選出の対象や基本的要件、選出手順など規定
2019年12月3日
中国北京市政府、水環境対策3年計画を発表――汚水処理施設の整備などの措置を提示
2019年12月2日
中国生態環境部、「農村黒臭水対策業務ガイドライン(試行)」を発表――農村黒臭水対策モデル事業の展開も規定
2019年9月18日
中国、「京津冀工業節水行動計画」を発表――重点業種の工業用水の効率化を目指す