スペインと南アフリカ、水に関する相互協力に関するMoUを締結

2018年3月18~23日にブラジルの首都のブラジリアで開催された世界水フォーラムの枠組みで、スペイン政府と南アフリカ政府が、水に関する相互協力の了解覚書(MoU)を締結した。スペインと南アフリカのMoUは、水資源の持続可能な利用と管理、開発分野における協力を目的とし、具体的には、水資源の管理に関する情報交換や専門家の交流を図り、両国の技術者で構成される水資源委員会の創設により、相互協力プロジェクトが推進される。MoUの期限は5年間で、その後自動的に更新されることになっている。

南アフリカは現在干ばつに悩まされており、スペインの計画的な干ばつの予測、予防、管理における経験が生かされることが期待されている。スペインは伝統的に、水資源の責任をもった効率的な利用など優れた水資源管理を行っており、その経験が南アフリカに利用されることになる。スペインでは国内に降雨量が多い地域と砂漠化の危機をもつ乾燥した地域を抱えているため、政府は水資源管理政策に注力しており、民間企業のサポートを得て水関係の様々なプロジェクトが推進されている。

南アフリカとのMoU締結にあたってスペイン農業漁業・食糧・環境大臣は、スペインの水分野の企業や調査機関、政府機関は高い能力を有しており、スペインの水事業企業は世界各地に進出して知識、経験、能力を発揮している点を強調した。スペインでは国内4500万人の住民と、毎年訪れる8000万人の観光客に良質の水を提供し、3700万ヘクタールの土地に灌漑を施し、1900年代初期には200MWだった水力発電量が、現在は2万500MWに達している。また都市部の汚水の処理率は20年足らずで30%から85%に増加した。汚水再利用と淡水化能力は世界でも最先端のレベルとなっており、世界の主要な淡水化企業20社のうち7社がスペイン企業である点も強調された。