タイ天然資源環境省・公害管理局(PCD)は、2018年6月11日、同国チェンマイ県のメーカー運河での廃水処理問題の解決に関する進捗状況について発表した。メーカー運河の汚染源からの廃水を検査したところ、53%が基準に適合しないことが判明したため、廃水問題の状況を分析するためのエリアを定めると共に、廃水処理の効率向上のために関係機関と共同で対処するための方針を協議した。
本件について、PCDのスニー・ピヤパンポン局長は次のように述べている。「PCDがチェンマイ第1地域環境事務所と合同でチェンマイ県の224か所の廃水処理システムの稼働状況及びメーカー運河の汚染源からの廃水を検査した結果、法律を順守している汚染源は47%で、53%の汚染源が基準に適合しない廃水を排出していることが判明した。そこで所定の期限内に廃水処理システムを是正、改善または修理する命令書を出すと共に、廃水処理システムの問題解決方針に関する研修を実施した。研修参加者は131人に上り、研修成果として参加者が環境ケアに関する知識、理解を身に付け、81.2%の廃水処理システムの運転効率が向上したことが確認された。また研究者チームを同エリアに派遣して一次廃水処理システムの効率を評価し、綿密な助言を与えた。基準を超える排水を行う汚染源に対して専門技術を適用すると共に法的な手続きも並行して進め、汚染源からの廃水処理の効率を上げるために関係機関と調整・協力し、各部門の参加を求め、運河にごみ、廃物、廃水を直接捨てない意識を植え付け
スニー局長によると、廃水処理効率を向上し、汚染源からの廃水の排出を減らすために、PCDは2018年6月13~14日にメーカー運河沿いの地方自治体の汚染源に対する法律適用の進み具合をチェックするために同エリアに赴き、関係機関と法律の適用に関する全体方針を協議する。さらにメーカー運河の状態を調査し、チェンマイ市の中央廃水処理システムの稼働状態を確認して、廃水問題の状況を分析し、共同実施方針を探る予定だ。そのために、チェンマイ第1地域環境事務所、チェンマイ県天然資源・環境事務所、及びメーカー運河沿いの8つの地方自治体であるチェンマイ県メーリム郡のドーンケーオ自治区、ムアンチェンマイ郡のチャーンプアク自治区、チェンマイ市、パーデート自治区、ステープ自治区、メーヒヤ自治区、ハーンドン郡のサンパックワーン自治区、ソップメーカー自治区との合同会議を開催することになる。また将来のために、チェンマイの事業者、住民、観光客ら各部門の協力を求め、共にメーカー運河の水質をケアし復旧させ、水の汚染問題の深刻さを軽減して水質の向上を図る必要がある。