Suez、デンマークの下水処理場への三次処理技術の提供を受注――リンの排出を90%削減

Suezは2019年2月5日、デンマークのスカナボー市営上下水道ユーティリティが下水処理プラントの拡張にあたって三次処理技術として同社のDensadeg XRC Extreme Rate Clarifier(以下、Densadeg XRC)を採用したことを明らかにした。デンマークではいま、湖沼への豪雨時の下水道越流水流入問題への国民の関心が高まっている。Suezの技術を導入することによって、「白鳥の湖」と呼ばれる美しい湖に下水道越流水により排出されるリンの量が90%削減されることが期待されている。この三次処理プロジェクトでは、Densadeg XRCがこの種の利用としては世界で初めて一般に披露されることになる。

Suezデンマーク法人のPer Krøyer Kristensen CEOはつぎのように述べている。「国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成は、以前からデンマーク国民の最優先課題だった。こうしたことから、われわれは今回のプロジェクトが水技術の世界で大きな関心をあつめるものと考えている。わが社の技術がデンマークを象徴する湖の水質保護のために選ばれたのは、まことによろこばしいことだ」

Densadeg XRCについて

Densadeg XRCは、高速凝集、安定剤添加、および固形物再循環を組み合わせた高速沈殿プロセスを使って、効率のよい固形物沈殿を実現している。この技術を使えば、設計の選択、占有面積、および運転上の諸条件の面で、柔軟な対応が可能である。


図 Densadeg XRCの概要
(出典:Suezホームページ[1]

Suezがスカナボー上下水道ユーティリティと共同で設計した下水処理システムは、2系列のDensadeg XRCを使用する。こうすることにより、通常時も、またスカナボー・フェスティバル・ウィークのように通常の最大3倍の負荷がかかることもある繁忙時にも、問題なく運転をつづけることができる。

今回のプロジェクトについて、スカナボー上下水道ユーティリティのCEOにしてAquaGlobeウォーター・ソリューション・センターの創立者でもあるJens F. Bastrupはこう述べている。「このプロジェクトは、われわれの自然環境スチュワードシップを世に知らしめるよい機会だ。われわれの持続可能性目標に大きく貢献できるパートナーとともに仕事ができてじつによろこばしい。AquaGlobeは、企業パートナーから提供された多くの最新水技術を展示するビジター・センターだ。世界中からみなさんが訪れてくださるのをたのしみにしている」

[1] https://www.suezwatertechnologies.com/products/clarifiers/densadeg-xrc-clarifier

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