タイ、観光名所パタヤの排水規制の順守状況を調査――全体の8割近くが基準を順守

タイ天然資源環境省・公害管理局(PCD)は、2018年11月23日、同国の観光名所であるパタヤビーチにおける事業所廃水の状況について発表した。PCDはビーチの観光資源が良質で持続可能になるよう具体的成果を挙げる方針を掲げており、その実現に向けて、2018年に廃水問題解決のモデルとするために、パタヤ市及びその周辺地域で試験的な活動をこれまで実施してきた(パタヤ市は汚染防止区域及び環境保護地域に指定されていることがその理由)。

今回、バーンラムン郡パタヤ市地域、及びサタヒープ郡ナーチョームティヤン町地域の合計103 箇所の事業所からの排水を調査した結果、ほとんどの排水が法律で定める基準に適合しており、基準を超える排水を行っている事業所は24箇所で、全体の23%だけであることが分かった。なお、パタヤ市地域の事業所のほとんどがパタヤ市のソイワットノーンヤイ及びナーチョームティヤン(ワットブンカンチナーラーム)地域の集合下水処理システムに流れ込む下水管に接続していることも分かった。プラローン氏によると、事業所からの排水の検査を実施する前に、PCDが事業者及び関係機関に対して環境法令の順守方針及び廃水処理システムの管理に関する研修を行った結果、研修参加者の81%に当たる200人が、研修後に環境法令の順守及び廃水処理システムの管理に関する知識・理解を深めたことが明らかとなっている。

一方で、基準を超える排水を行っている事業所に対しては、法的強制手段を行使するほかに、汚染源が環境規制に従い正しく処置されることを促進するために、PCDが専門知識を備えた技術チームを地域に派遣して、綿密な助言を与え、法律に基づく廃水処理効率を十分に備えるように廃水処理システムを改善するための支援を行った。そこで確認された点は、各事業所が廃水処理システム管理に関する技術的な問題を抱え、システム稼働の知識及び経験を持つスタッフが不足していること、さらに廃水処理システムの改善において地域の構造的制約があることが、問題の大半を占めていることである。

今後の取り組みとして、PCDは地域の地元当局と協力して検査情報を共有し、法律を施行し、より効率的な法律の施行を通じてビーチ付近の廃水問題を解決するために一体化して活動することを予定している。またこれらの活動で得られた成果を、サムイ島やアオナンビーチなどの他の重要な観光ビーチの地域にも適用する予定であると、プラローン氏は語っている。