英国上下水道事業者Yorkshire Waterは2019年2月下旬、同事業者が稼働する4か所の下水処理施設から周辺の水域へ放流される処理水の水質改善に向けて1700万ユーロ(約21億3430円)を投入し、同施設の排水処理プロセスにおいてリンの除去を開始した。
リンの除去に向けて排水処理プロセスが改善される下水処理施設は、Skipton、Gargrave、Foulfidge、Earbyといった4箇所である。これらの下水処理施設にて処理された排水は、River AireやEarby Beckなどの地域の水域へ放流されており、同施設における排水処理プロセスにてより多くのリンを除去することで、処理水の水質を改善させる。2000年に施行された欧州指令「Water Framework Directive」を契機として、欧州内の河川や水域におけるリンの含有量を測定する必要がある。
Yorkshire Waterは現在、196 kmに上る水域の水質を向上させるとともに、水域内のリンの含有量を減らす目標値を到達するために、同事業者が稼働する16箇所の下水処理施設の処理プロセスの改善に向けて、合計7000万ユーロ(約87億8827円)に上る投資を進めている。Yorkshire Waterの広報担当官であるMark Allsop氏は、「我々が稼働する下水処理プロセスを更新することで、より多くのリンの除去が可能となる。その結果、水域の生態系に悪影響を及ぼす自然の環境中にリンの放流を防ぐ」と述べた。