ベトナムのハノイ人民委員会(Hanoi People’s Committee)副会長を務めるNguyen The Hung氏は、2019年3月19日にハノイにて開催されたベトナム・ドイツ水セクターフォーラムにて、ハノイで実施予定の地域排水改善プロジェクトに参画するようドイツ側へ要請した。同フォーラムの開催を契機として、ベトナム企業とドイツ企業とがつながり、ドイツ企業によるベトナムへの将来投資や両企業間のパートナーショップを通じて、ベトナムにおける水環境の改善に期待が寄せられている。
ベトナム首都ハノイでは、クリーンな水供給に対する需要が今後大幅に拡大すると見られている。2020年までに必要となる1日当たりの水需要量は約200万m3、2030年には約300万m3、2050年には350万m3に達する見込みである。同国ではまた、農村地域の全住民に対して2020年までに水道水を供給することに取り組んでいる。
ベトナム・ドイツ水セクターフォーラムにて演説した在ベトナムのドイツ大使Christian Berger氏は、ドイツも以前はベトナムと同様に、河川や湖沼の汚染に直面していたと述べた。ドイツでは同問題の解決に向けて、排水放出に対する事業者への課金や水利用の標準化、水資源保護などの一連の措置を講じた結果、現在ではドイツ国民の82%が地域水道水の水質に満足している。更に、ドイツには多数の排水管理・処理ベンダが存在し、環境保護、排水処理、クリーンな水資源の構築において、ベトナムやハノイに対して技術支援、投資を行うことをドイツ企業側が望んでいることを、同氏は強調した。また、今回のフォーラムに出席したドイツ企業は、ハノイの排水インフラの現状を改善する最新技術の導入に向けた投資が必要であることを認識した。