Suezは2019年7月26日、ニューデリー南部のオクラに処理能力が日量56万4000m3の下水処理プラントを建設・運営する契約を、ニューデリーの水道を所轄するデリー上下水道公社から獲得したことを明らかにした。受注金額は1億4500万ユーロ(約170億円)である。
この契約では、設計・建設の期間が3年半、その後の運営・保守の期間が11年となっている。新プラントはオクラに以前からあった下水処理プラントに取って代わるもので、インドでは最大のものとなる。この契約は、ニューデリーの主要な水源であるにもかかわらず重度に汚染されているヤムナー川の水質回復をめざす第3次ヤムナー川行動計画(YAP-III)の一環として締結された。プロジェクトの資金は連邦政府が81%、デリー直轄地行政府が19%を拠出する。
Suezは、ヤムナー川の水質を回復し、窒素濃度が1リットルあたり10ミリグラム未満という最新の国家基準を満たすべく、この下水処理プラントに最高レベルの下水処理技術を投入する。また、SuezグループのDigelis Duo2およびDrainis Turboという処理プロセスの採用により、発生する下水汚泥の量を大幅に減らすとともに、肥料やエネルギー源としての利用のための汚泥回収を容易にする。さらに、こうして回収した汚泥を燃料とする発電により、処理プラントの電力需要の50%をカバーする。
SuezグループのAna Giros国際部門担当副社長はこう述べている。「Suezは30年以上にわたって、急速な人口増と都市化に直面しているインドでますます重要になりつつある水資源の保護という課題に対処するため、革新的なソリューションの開発によってニューデリー、バンガロール、カルカッタなどの大都市を支えてきた。今回、デリー上下水道公社からまた新たな信頼をいただき、インド最大となるオクラ下水処理プラントを建設・運営することとなった。このプロジェクトでわれわれは、技術面での専門性と顧客の志向をひとつに合わせることができる。われわれとデリー上下水道公社は、ともに協力して住民に質の高い上下水道サービスを提供し、環境を守ることに取り組んでいるが、これはその具体的な例だ」