ペルー、国家水管理政策について部門間を調整する委員会を設置

2019年3月13日、行政令2020年2号(Resolución Suprema n.° 002-2020-MINAM)が公布された。多部門間委員会(Comisión Multisectorial)が設置され、OECDが作成した「ペルーにおける水ガバナンス政策対話に関する報告書」に基づき、水資源政策のための経済対策、法的枠組みの改善などについて、部門間のギャップを克服すべく調整を行い、最終的に報告書を取り纏めて、環境省、大臣審議会を経て大統領に提出する。

多部門間委員会は、環境省や外務省、エネルギー鉱業省、生産省、保健省など11の省庁、機関から構成される。環境省が主管し、国家水管理局(ANA:Autoridad Nacional del Agua)が技術的な事務局となる。

「ペルーにおける水ガバナンス政策対話に関する報告書」は、OECDの技術チームが作成したもので、部門をまたがって水資源管理を強化し、法的枠組みを改善、経済的対策を構築して、ペルーの水資源の安全を達成するための指針である。

同報告書では、ペルーにおいて気候変動や水資源の安全の観点から、水管理のギャップに対処するための水政策の構築、実施、必要な活動、改善に対する評価が行われている。

環境省の天然資源戦略局によれば、多部門間委員会の役割は、市民社会、民間企業、学会、その他非政府機関と合意しつつ、国家レベル、部門レベル、地方レベルの公共政策決定の機会を供与する部門を超えた窓口となることである。

多部門間委員会は、公布翌日から10稼働日を超えない期間に設置され、8カ月間有効となる。期間満了後、最終報告書を取り纏め、環境省承認後大臣審議会を経て大統領に提出する。

最終報告書には、部門間の水のガバナンスのギャップを克服するための水資源政策の経済対策、法的枠組み、水の公共サービスの改善、並びにリマ地域、イカ川、オルモス川の流域に関する研究報告が含まれる。

また多部門委員会の設置によって、組織間の調整機能が強化され、水資源管理に関する情報共有が促進される。