米カリフォルニア州サンディエゴの市議会はこのほど、同市の下水処理を大幅に改善し、長期的な水供給をより確実にするために25億ドル(約3000億円)を投じる計画を、全会一致で承認した。
この計画の第1フェーズで、サンディエゴ市は水処理能力を増強するとともにインフラを整備し、2023年までに日量1500万ガロンの下水リサイクルをめざす。その後、リサイクル処理する下水の量を段階的に増やし、2035年には日量8300万ガロンとする。その時点で、リサイクル水は市の水供給量全体の3分の1に達すると予測されている。
下水リサイクル計画が承認された背景
サンディエゴ市のメインの下水処理プラントは、処理の不十分な下水を海洋に投棄しているとして連邦政府から規制違反の判定をくだされていたが、ただちに是正するのは困難だとして、1995年から5年単位で猶予をあたえられていた。この最後の猶予期間が2015年7月に終了することになっており、市は何らかの行動を迫られていた。
さらに、「水不足がこの計画の必要性をさらに際立たせた」と、Kevin Faulconerサンディエゴ市長は市議会の議決後の会見で述べた。「ざんねんなことに、水不足はいまやカリフォルニアの生活では常識のようなものになってしまっており、われわれはこれに対処していかなければならない。このことが、われわれの運命を切り開くのに役立っている」