米EPA、水資源の持続可能性確保などを目的とした水再利用の国家行動計画を発表

米環境保護庁(EPA)は2020年2月27日、内務省、農務省、ホワイトハウスの環境諮問委員会やその他の連邦、州、部族、地方自治体、および水セクターのパートナーとともに、「国家水再利用行動計画:共同実施(第1版)」を発表した。EPAによると、国家水再利用行動計画(WRAP)は、「我が国の水資源の安全保障、持続可能性、および信頼性の確保を目的とした水再利用の検討を前進させるための水のユーザー・コミュニティ全体にわたる調和された共同の取組」であるという。

行動計画(第1版)では、11の戦略テーマにまたがる37の行動に対し、行動リーダー、パートナー、実施マイルストーン、および目標完了日が特定されている。11の戦略テーマは次のとおりである。

  1. 流域規模での統合的行動:流域規模での統合された共同行動をもって水再利用の検討を可能にする。
  2. 政策調和:連邦、州、部族および地方自治体の水再利用に関するプログラムと政策を調和させ統合する。
  3. 科学と処理仕様:目的にかなった処理仕様を収集し改善する。
  4. 技術開発と検証:技術開発、展開、および検証を促進する。
  5. 水情報の利用可能性:水の質および量に関する情報の利用可能性を改善する。
  6. 財政支援:水再利用に対する財政支援を容易にする。
  7. 統合的研究:水再利用に関する研究を統合し調和させる。
  8. アウトリーチ・広報活動:水再利用に関するアウトリーチ・広報活動を改善する。
  9. 労働力開発:有能で行動的な労働力を維持する。
  10. 成功のための指標:目標を維持し進捗状況を測定する水再利用の指標を検討する。
  11. 国際協力:国際パートナーの経験を構築する。

行動計画(第1版)に盛り込まれた行動に関する情報は、新たに立ち上げられた専用ウェブサイト、「国家水再利用行動計画:オンライン・プラットフォーム」でも確認できる。このオンライン・プラットフォームは、各行動の進捗状況を定期的に更新するとともに、進行中の活動に関する情報のやりとりなど、様々な機能を果たすことになるだろう、とEPAは述べている。

【関連URL
国家水再利用行動計画:共同実施(第1版):
https://www.epa.gov/sites/production/files/2020-02/documents/national-water-reuse-action-plan-collaborative-implementation-version-1.pdf
国家水再利用行動計画:オンライン・プラットフォーム:
https://www.epa.gov/waterreuse/national-water-reuse-action-plan-online-platform

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