ロシアの国営原子力企業Rosatomは、大規模な原子力発電所と淡水化施設を統合化したプラントを、輸出部門のRosatom Overseasを通して海外に売ることを計画している。Rosatom Overseasを率いるDzhomart Aliyevは、最近になってこの計画を発表し、「外国市場にかなりのポテンシャル」があると述べた。
この発表に先立つ2015年2月、ロシアはエジプトと、原子力発電と多重効用法(MED)による淡水化とを組み合わせた複合プラントの設計を進めることで合意している。エジプトは、地中海沿岸のエルダバーに、ベンダー・ファイナンスにより2基の原子炉を建設することをめざしている。エルダバーには最大8基の大型原子炉の建設が可能といわれている。Rosatomは、原子力発電と淡水化の複合プラントの一環として120万キロワットの原子炉2基を建設することを提案したとされる。
イランも、ペルシア湾岸のブーシェフルにロシアの技術によって原子力発電所の拡張を計画しており、その計画には2基の淡水化ユニットが含まれると見られている。さらに、ロシアとアルゼンチンのあいだでも、原子力発電所に併設する淡水化プラントについて両国が協力する合意がなされている。
複合プラントはロシアの原子力産業の新製品
Rosatom OverseasのAliyevは、原子力と淡水化の複合プラントについてつぎのように述べている。「これはロシアの原子力産業の新たな製品だ。われわれは、小型モジュラー原子炉や浮体式原子力発電プラントと一体化した淡水化施設など、製品範囲の拡大に大いに注目しているところだ」