メキシコ、2015年度第3次年度報告を発表――水インフラに関しては2015年末までに下水処理率55%を目指す

メキシコ大統領は、2015年9月2日、2015年度の第3次年度報告*1を発表した。1.治安、2.生活水準の向上、3.教育水準の向上、4.経済発展、5.国際社会での責任履行の分野での実績を報告するものであるが、その4.4の「自然資源の保護と富や雇用の創設が共存するグリーン成長推進」の項目で、以下の水インフラに関する数字が報告されている。

  • 2015年度は水インフラ投資に460億ペソの投資が予定されており、そのうち54.2%は.上下水設備、28.3%が灌漑設備、17.5%が洪水対策に充てられるが、2015年上半期に、連邦政府の予算で131億ペソの事業が実施された。うち80.4%は上下水道整備となっている。
  • 2012年末には全国平均で上水道普及率92%、下水道普及率は90.5%だったのが、2014年にはそれぞれ92.4%、91%に向上した。
  • 人口2500人以下の農村部の上下水道整備として、2014年には、720の飲料水設備新設、240の下水道新設工事が38億ペソの投資で実施された。また213の飲料水設備改修、73の下水道設備改修、またこれらの設備の今後の新設の為の779件の調査が実施された。
  • 人口2500人以上の市町村では、2014年には96億ペソの投資により、195の飲料水設備と219の下水道設備が新設され、207の飲料水設備と233の下水道設備改修が実施された。
  • 2015年上半期には、メキシコシティ周辺の排水トンネル整備工事が進んでいる。
  • 2014年末までに50の汚水処理プラントが新設され、全国合計2337プラントとなった。2015年上半期には更に28の汚水処理プラントが、チアパス州、ゲレロ州、オアハカ州、プエブラ州、ベラクルス州、ナヤリット州、メキシコ州、バハ・カリフォルニア州、シナロア州、ソノラで新設され、合計2365プラントで、15万4084リットル/秒の処理能力となる。これにより全国の下水処理率は53.3%に達するが、2015年末までには55%とすることが目標とされている(下図参照)。
  • 2015年6月現在で、32の汚水処理プラント新設及び拡張、48の汚水処理プラントの改修が、コアウイラ州、チワワ州、メキシコ州、モレロ州、シナロア州で予定されており、28億ペソの予算が確保されている。
  • 2014年末までには、2337の汚水処理プラントの運営と保守に3億ペソの援助が与えられ、汚水処理能力が33.6m3/秒向上した。また2015年6月末までには、118の汚水処理プラントに5520万ペソが援助された。

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図 メキシコにおける下水処理量および下水プラント稼働数の推移
(出典:メキシコ政府 2015年度第3次年度報告)

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図 メキシコにおける下水処理率の推移
(出典:メキシコ政府 2015年度第3次年度報告)

*1 http://cdn.presidencia.gob.mx/tercerinforme/3_IG_2015_PDF_270815.pdf

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