中国政府、「節水・汚水対策・水生態修復に関する先進適用技術指導目録」を公表――より効率的な需給間マッチングを目指す

中国科学技術部、環境保護部、住宅城郷建設部、水利部は、2015年12月2日、「節水・汚水対策・水生態修復に関する先進適用技術指導目録*1」(以下、「技術指導目録」)に関する通知を共同で公表した。この技術指導目録には、節水・汚水対策・水生態修復に関する152件の先進的、且つ適用可能の技術成果が盛り込まれており、その内訳は、節水技術30件、都市部汚水対策技術31件、工業廃水処理技術50件、農村及び面源汚染対策技術14件、水生態修復技術19件、モニタリングおよび早期警報技術8件となっている(下図)。

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図 節水・汚水対策・水生態修復に関する先進適用技術の内訳
(出典:節水・汚水対策・水生態修復に関する先進適用技術指導目録よりEnviX作成)

「技術指導目録」の序言によると、近年、工業化および都市化の推進と世界気候変動の影響を受け、水の安全保障に対する懸念が深刻化しており、また水資源不足、水害の頻発、水生態の悪化、水環境汚染などの諸問題が経済発展を妨げてきた。

こういった状況を改善するために、科学技術部と水利部は、中国財経指導グループ第5回会議の方針を踏まえ、中国環境科学学会に委託し、節水・汚水対策・水生態修復に関する先進技術を募集した。その結果、応募があった400件余りの技術を審査、評価し、86件を代表的な技術成果として選出した。また、環境保護部と住宅城郷建設部は「水系汚染制御と対策科学技術重大プロジェクト」(以下、「水専項」と称す)の第1段階の実施成果から66件の関連技術を選出した。今回の「節水・汚水対策・水生態修復に関する先進適用技術の指導目録」は、これらの両方を統合して策定されたものである。

本技術指導目録は、「技術カタログ」と「技術紹介」との2部構成となっている。「技術カタログ」では、各技術の名称、内容及び適用範囲が記載されており、また「技術紹介」では、より詳しい技術内容と典型的応用例、技術の問い合わせ先等が記載されている。

この「技術指導目録」の公表によって、より効率的な需給間マッチングが可能になるものと期待されている。

なお、ほぼ同時期に以下の報告書が国家海洋局から公開された。
「海水淡水化および海水の総合利用に関する主要技術および装置一覧*2

*1 http://www.most.gov.cn/tztg/201512/t20151202_122576.htm

*2 http://www.jstd.gov.cn/upfile/File/201512/03/11085766.pdf