RWL Water、ブラジルの水処理企業Acquavit社を買収

浄水・廃水処理、および廃水発電技術で知られる米RWL Water(本社:ニューヨーク)は2016年12月21日、ブラジルで長年の実績を持つ水処理企業Acquavit社(本社:サンパウロ)*1を買収することで同社と合意したと発表した。必要な手続きが終わることを前提に、Acquavitは2017年1月にもクロージングを完了する見込みである。

2013年のアルゼンチン進出に続き、中南米で販路拡大へ

Acquavitは、買収後はRWL Water Brasilと改称し、南米への進出を進めるRWL Waterの戦略を後押しするとともに、都市用水、工業用水の処理、再利用におけるRWL Waterの知見拡大を担うこととなる。RWL Waterは過去、2013年にアルゼンチンのUnitek S.A(現在はRWL Water Argentina)を買収*2したほか、これを足掛かりに、中南米における戦略的パートナーシップを複数締結している

本件買収について、RWL Waterの社長兼最高経営責任者、Henry Charrabé氏は次のようにコメントした。「私たちはRWL WaterファミリーにAcquavit社を迎えられる見通しであることを非常に喜ばしく思っています。この買収は、当社がブラジル市場から信頼を受け、さらに成長を見込まれている証と言えます。ブラジルは現在、深刻な水不足の問題に直面しており、電気価格と廃水の問題が浮上しています。この問題には、RWL Waterの姉妹会社が有する淡水化、水再利用、廃水発電などの技術に基づき当社がグローバルに有する知見が特に役立つことでしょう。」

また、Acquavit 役員で株主のAlexandre Melo氏は次のように述べた。「ブラジルの革新的な水再利用技術に対する需要と実際のプロジェクトにはギャップがあります。我々は、RWL Waterに加わることで当社と顧客に大きなメリットがあると考えています。RWL Waterが全世界で足跡を残していることは間違いありません。専門的な知見と新規技術を有する企業を戦略的に買収し、中規模市場における水ソリューションを拡大しているのです。我々は、ブラジル、そしてグローバルに拡大を続けるRWL Waterチームの一員となることを非常に興奮しています。」

クロージング後、RWL Water Brasilはアルゼンチン、イタリア、イスラエル、米国のRWL Waterグループの姉妹会社と緊密に連携し、水処理ソリューション(最新の淡水化パッケージシステムなど)を提供し、ブラジルにおける顧客を拡大していくこととなる。

EnviXコメント

RWL Waterは2010年にRonald S. Lauder氏によって創設された会社で、その戦略の特長のひとつが積極的な企業買収である(下表)。

時期 買収先企業
2016年12月 ブラジルの水処理企業Acquavit社
2013年7月 アルゼンチンのUnitek社
2013年3月 米国のTipton Environmental International社
2011年11月 イタリアのEurotec WTT社
2010年 Aeromix Systems社
2010年 イスラエルのNirosoft Industries社

 

このような同社の企業買収の姿勢に対して、世界的な市場調査会社Frost & Sullivanは2013年に、North America Frost & Sullivan Award for Excellence in Mergers and Acquisition Strategyを授与した*3。受賞の理由としては以下の点が挙げられている。

  • 石油・ガス、鉱業、食品・飲料、地方自治体、電力などの様々な産業分野にわたって顧客ニーズに専門的に対処できるよう、買収企業をシームレスに統合してきた。
  • 淡水化、産業廃水処理、飲料水処理、エアレーション(曝気)技術、嫌気性消化、廃棄物のエネルギー転換などの幅広い領域において、グループ全体の能力を補完し合っている。
  • それぞれの買収によってコネクションの増大、地理的なサービス範囲の拡大、プロジェクト・ルートの強化、人材プールの拡充などがもたらされた。

今回の買収はRWLにとって3年ぶりとなるものだが、同社が積極攻勢をしかける南米市場においてさらに地歩を固めるものとなるだろう。

RWLの現在の拠点をまとめると下図の通りで、いまのところは米州市場に最も焦点を当てているものとうかがえる。そのほかでは欧州と中東の市場にも進出しつつあるが、いっぽうでアジア地域には全く拠点を構えていない。しかし、すでに述べたようにRWLは企業買収を仕掛けて、ビジネスの地理的範囲を拡大することを得意としているため、アジアの水市場に突如参入する可能性もあるだろう。

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図 RWLの拠点
(出典:各種資料よりエンヴィックス作成)

*1 2003年創業。サンパウロ州Jundiaíを拠点に、企業や地方自治体に浄・廃水処理ソリューションを提供する。高度な酸化・消毒プロセス、膜システム、イオン交換システム、浄水・廃水処理/水再利用システムに強みを持つ。

*2 EWBJ47号に関連記事あり「RWL Water、アルゼンチンのUnitekを買収へ

*3 EWBJ46号に関連記事あり「RWL、Frost & SullivanからM&A優秀賞を授与――買収企業による相乗効果が評価される

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