水処理の製品とサービスで世界的に知られるEvoqua Water Technologies(本社:ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊のウォーレンデール)は2017年7月はじめ、技術力強化のための企業買収をあいついで発表した。
ADI Systemsなど3社をADI Groupから買収
Evoquaは2017年7月5日、ADI Group Inc.から傘下のADI Systems、Lange Containment、およびGeomembrane Technologiesの3社を買収したことを明らかにした。これら3社は、産業廃水ソリューションの世界的リーダーで、このうち2社はカナダのニューブランズウィック州フレデリクトンに本社を置く。買収金額等の詳細は公表されていない。
これら3社は、嫌気性消化、好気性処理、およびバイオガス処理の分野で、世界中の顧客のニーズに合わせた広範な技術を提供している。また、グリーン・エネルギー回収技術や水再利用技術、それに産業廃水用のカバー・ライナーや封じ込めシステムも提供している。フレデリクトンに本社を置くADI SystemsとGeomembrane Technologies、およびコロラド州デンバーに本社があるLange Containmentの顧客数は、35ヵ国で合わせて260を超えている。
今回の買収について、EvoquaのRon Keating CEOはこう述べている。「Evoquaは最近、Environmental Treatment Systemsを買収したが[1]、さらにADI Systemsら3社が加わることで、われわれはこれ以上なく広範な産業廃水ソリューションを手に入れ、顧客の成功に貢献できることとなった」
1989年に設立されたADI Systemsらは、およそ100人の従業員を擁し、今後はEvoquaのIndustrial事業部のIntegrated Equipment Technologies部門に組み入れられる。
フィルターなどのOlson Irrigation Systemsを買収
上に述べたADI Systemsなど3社の買収発表の翌日、EvoquaはOlson Irrigation Systemsを買収したことを明らかにした。カリフォルニア州サンディエゴの北東に位置するサンティーに本社を置くOlsonは、農業および工業向けのフィルターおよび灌漑システム部品の設計・製造で先端を行く企業のひとつである。買収金額等の詳細は公表されていない。
OlsonはEvoquaのAquatics and Disinfection(A&D)事業部に組み入れられ、広範な産業分野で使われる濾過技術におけるリーダー的地位を活かして事業の発展に貢献する。Olsonはまた、EvoquaのA&D事業部が手掛けているVAF製品ラインの大手供給パートナーでもある。
1976年に設立されたOlsonは、農業灌漑と産業プロセスというふたつの市場に、直接または代理店を通して製品を販売している。また、両市場向けの広範なソリューションの設計・開発もおこなっており、アイディアを顧客のニーズに合った製品にすばやく結実させる能力も備えている。
この買収について、EvoquaのRon Keating CEOはこう述べている。「Olsonは、過去何年にもわたってEvoquaとそのVAF事業の信頼できるパートナーだった。その関係をさらに強化し、さらに緊密に連携しながら、さまざまな市場にまたがって成長を追求していけるのは、たいへんよろこばしいことだ」
[1] EWBJ60号に関連記事あり「Evoqua、産業廃水ソリューションのEnvironmental Treatment Systemsを買収」