エジプト、5県に淡水化プラント16基建設へ――合計で日量47万3000立方メートルの造水能力

エジプトのMoustafa Madbouly住宅・ユーティリティ・都市コミュニティ大臣はこのほど、同国に16基の淡水化プラントを新たに建設する計画が進行中であることを明らかにした。これら淡水化プラントは5つの県で予定されており、水能力は合計で日量473000 m3になる。Madbouly大臣は、これら淡水化プラントはニューアラメインやイーストポートサイドなど、現在建設中の新たなコミュニティや沿岸都市に水を供給することを目的としたものだと述べている。Madbouly大臣によれば、新たな淡水化プラントの建設が予定されているのはマトルーフ、北シナイ、南シナイ、紅海、およびポートサイドの5県である。同大臣は淡水化プラントをこのように増やしていくことについて、これは沿岸の県でナイル川の水を節約してそれを農業など他の目的に振り向けるためとしている。

建設地と造水能力の内訳

エジプト上下水道公社のSayed El Ashry理事長によれば、計画中の16基のうち、マトルーフ県ではシディバッラニ・プラントおよびラムレヤ3号プラントの増設とニューダバー・プラントの新設が予定されており、これらの増設分と新設プラントを合わせた造水能力は日量3万4000 m3になる。このほか、すでに建設がはじまっているエルアラメインのプラントは、日量15万m3の造水能力をもつことになっている。

さらに、北シナイ県ではアリーシ1号、2号、および3号プラント、それにシークズワイド・プラントの計4基の建設がはじまっており、これらの造水能力は合計で日量3万m3になる。また、南シナイ県ではナバクとトゥールの計2基で合計日量が4万2000 m3、ポートサイド県では西ポートサイドと東ポートサイドの計2基で合計日量が17万m3の淡水化プラントが建設される。このほか、紅海県では、アルユスル、ハライブ、シャラティン、およびアブーラマドで4プラントが増設され、増設分の合計造水能力は日量4万7000 m3になる。

エジプトの海水淡水化の現況

Tarek El Refaay住宅・ユーティリティ・都市コミュニティ副大臣によると、上下水道公社はこれまでに紅海の水を利用する39基の淡水化プラントを稼働させてきた。その造水能力は合計で日量23万5600トンにのぼる。また、これら既設の淡水化プラントの内訳は、マトルーフ県に9基で日量7万8000 m3、北シナイ県に5基で日量1万600 m3、南シナイ県に6基で日量4万5000 m3、および紅海県に19基で日量10万2000 m3となっている。

地域 プラント数 現在の造水量(m3/日)
マトルーフ県 9 7万8000
北シナイ県 5 1万600
南シナイ県 6 4万5000
紅海県 19 10万2000
合計 39 23万5600

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