スペインの再生可能エネルギー事業大手のAbengoa社は、サウジアラビアで最大の逆浸透膜の淡水化プラント建設を受注したと、同社のサイトで2019年1月2日に発表した。
Abengoa社は、インフラやエネルギー、水分野でサステナブルな開発の為の最新技術を提供する国際企業であるが、サウジアラビアのジェダから150 kmの紅海沿岸のラービグ(Rabigh)市の逆浸透膜の淡水化プラントの建設を、フランスのSIDEM、Veoliaグループ、Sepco III社とコンソーシアムを組み、サウジアラビアの淡水化や発電所の開発、投資、運営大手Acwaパワーから落札した。
プロジェクトは、サウジアラビアア政府の、同国における民間企業の参加奨励プログラムの一環となるもので、落札したコンソーシアムは、プロジェクトのデベロッパーかつオーナーとなるAcwaパワーの逆浸透膜技術の淡水化プラントの設計、調達、建設及び立ち上げを請け負う。淡水化された水は、国営のWEC(Water and Electricity Company)に供給される。
生産能力60万m3のラービグの淡水化プラントは、Abengoa社にとっては、現在までに建設されたなかで最大規模のものであり、逆浸透膜によるプラントとしては国内最大となる。プロジェクトに含まれるのは、海水の汲み上げから予処理、エネルギー回収システムを備えた逆浸透膜による処理、後処理、排水処理、パイプラインによる排水及び、380/110 kVの変電所建設による電力施設の敷設となり、サウジアラビアのメッカ市、ジッダ市、マストーラ市の合計約300万の住民に飲料水を供給する。
Abengoaが世界各地で設置した淡水化プラントは、生産能力合計150万m3/日で、建設中のものが完成すれば280万m3/日に達する。中東では現在、サウジアラビアで生産能力25万m3/日のShuaiba III淡水化プラント及び、オマーンで生産能力11万4000 m3/日のSalalah淡水化プラントが建設中で、中東でのポジションを強化している。
図 Abengoaが携わった世界の淡水化プラント
(出典:Abengoaホームページ[1])
[1] http://www.abengoa.com/export/sites/abengoa_corp/resources/pdf/noticias_y_publicaciones/galeria_descargas/Desalacion7-in.pdf