世界銀行、仏ヴェオリア社のブラジル子会社に1年間の受注資格停止措置を適用――コロンビアでの入札における不正行為が原因

世界銀行(WB)は2019年5月29日、水事業のエンジニアリング会社であるフランスのOTVに対して2年間、また汚水処理の仏ヴェオリア社のブラジル子会社VWTブラジル社に対して1年間の、受注資格停止措置を適用したとしたと発表した。これは、WBが融資する、コロンビアのボゴタ川の環境回復プロジェクトの応札における不正行為によるものである。ボゴタ川の環境回復プロジェクトは、ボゴタ川の水質を改善し、洪水リスクを削減し、流域に多目的地区を創設して、ボゴタ川を首都圏の環境資産とする為に、コロンビア政府を支援する目的で設計されたものである。

OTV社は、事前資格審査及び入札プロセスで、支払っていた手数料が開示されていない複数のエージェントを起用して、機密情報を入手していた。またOTV社とVWTブラジル社は、これらのエージェントの1社を通じて、WBの調達規則で禁じられている談合行為により、入札要件に不適切な影響を及ぼしていた。

取り決めにより、企業の従業員による情報提供や、WBグループの汚職調査チームである組織公正総局(INT)の内部調査への協力など、企業側の協力度や自主的にとる矯正措置に応じて、罰則期間は短縮される。罰則解除の条件として、両社はWBの公正規則で規定されている原則に従った遵守プログラムを実施し、さらに組織公正総局の捜査に協力しなければならない。両社は罰則対象行為があったことを認めて応札禁止措置に合意し、解禁のための要件を遵守することを約束している。

OTV社の受注資格停止措置は、2010年4月の受注資格停止措置の相互失効協定により、その他の国際開発金融機関(MDB)も適用が可能となる。

なおボゴタ川の同じプロジェクトでは、2019年1月29日にもWBが、ブラジルの建設大手オデブレヒト社に対しての3年間の受注資格停止措置適用を発表している。