中国北京市政府、水環境対策3年計画を発表――汚水処理施設の整備などの措置を提示

中国・北京市政府は2019年11月、「北京市都市水環境対策業務さらなる加速・推進における3カ年行動計画(2019年7月~2022年6月)」(以下、「計画」)を発表し、北京市内水環境の改善を図る。

同「計画」では、水環境対策業務の3年間の目標が打ち出された。2020年末までに、北京市全域の汚水処理率を97%以上に向上させる。そのうち、都市中心部の汚水処理率は99.7%まで引き上げ、副中心既存地域では汚水の全面収集・処理を実現する。55%以上の市内農村地域を、汚水処理施設の整備対象範囲に入れる。

同「計画」によると、北京市都市水環境対策業務は以下のような5つの内容を中心に展開される。

項目 詳細
農村部生活汚水処理の加速 3年をかけ、水源地近くの村、人口の多い村などを含み、およそ900村の生活汚水問題を解決すると同時に、農村部のトイレ改造活動に合わせ、収集・運搬・処理などの方法で人口の少ない村の生活汚水問題も解決する。
「微小水体」処理の展開 「微小水体」とは、都市・農村によく存在する流動性や浄化能力の低い、小さな池、溝、渓流などのことである。微小水体所有者、使用者および管理者の対策実施の主体責任を明らかにする。微小水体への汚水排出、水の中の浮遊物質、ごみ、臭気および違法建設を無くすよう対策を実施する。
合流式下水道越流水・面源汚染対策の展開 生産経営者・事業経営者による汚水の不正排出、直接排出を取り締まる。2022年末までに、都市中心部において雨水・汚水の下水道への流入スポットをおよそ1000箇所改造するなど。
市内都市部汚水処理・再生水利用施設の整備 汚水収集管路740キロメートルの延長、再生水管路101キロメートルの延長、汚水・雨水合流管路28キロメートルの改造などを行う。
水環境監督管理の強化 汚水処理施設運転、排水管路運転、河に接続する排水口の取締り、工業企業排水、水系・沿岸ゴミ処理の管理を強化する。

上記の計画などを順調に実行するため、北京市は投資建設および運営管理という2つの方向から支援策を打ち出した。「投資建設」については、市内一部の地域では汚水処理施設建築における土地使用費用への援助などを行う。「運営管理」に関しては、汚水処理料金の徴収・使用制度の完備を促進する。原則として汚水・汚泥処理費用のコストをカバーし、合理的に利益を得るまで、適切に汚水処理料金の徴収額を引き上げる。

同計画の原文は下記のURLよりダンロード可能である。
http://www.beijing.gov.cn/zhengce/zhengcefagui/201911/t20191129_726752.html

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