北米の製薬業界向け水処理市場、今後数年間は中程度の伸び

Frost & Sullivanの環境・建築技術調査アナリストEric Melitonは2008年2月7日、製薬業界向け水処理市場について会議通話によるブリーフィングを行なった。それによると、北米の製薬業界向け浄水および廃水処理市場は2013年まで中程度の伸びを持続することが予想される。

Melitonはまた、水処理企業が製薬業界向けのビジネスで成長するための戦略について、つぎの項目を挙げて勧告を行なった。

  • 水処理についての主要な規制を理解すること
  • ドキュメンテーションと仕様についての要求条件をわきまえていること
  • パートナーを組む際の主要なリスク要因を承知していること
  • 効率がよく割安な、費用対効果性にすぐれた水処理ソリューションを提供すること
  • ブランドの評価と市場における認知度を確立すること
  • 水処理ソリューションに関する強力な設計力と構築力をもつこと
  • カスタマイズされたソリューションを提供し、顧客サービスを強化すること
  • グリーンな技術と、企業の責任に関するトレンドをわきまえていること
  • 北米における予算上の制約をわきまえていること

Melitonはこのブリーフィングのなかでつぎのように述べた。「製薬業界が守らなければならない厳しい規制や許認可条件が、浄水用機器を提供する企業にも廃水処理用機器を提供する企業にもたいへんな難題を課している。その結果、Tier IおよびTier II適合の処理機器を提供する企業は、そうした要求条件に適応しつつ、耐久性、品質、および市場における価格競争力を維持するためのたゆまぬ努力をかさねてきた」

さらにMelitonは、「世界の製薬業界の40%から60%が北米市場に依存している」とし、この市場から浄水および廃水処理企業が得ている売上は2006年には総額で3億ドル(約320億円)を超えたと述べた。

北米の製薬業界向け浄水および廃水処理市場に参入しているおもな企業には、Siemens Water Technologies、GE Water & Process Technologies、Jacobs Engineering Group Inc.、Pall Corp.、Calgon Carbon Corp.、Koch Membrane、Sanitaire(ITT)、Hach、Wedeco Ideal Horizons、Christ Water、Kinetico、Mar Cor Purificationなどがある。

Melitonによると、アメリカの製薬工場の50%が10州に集中している。トップ・スリーはカリフォルニア州、ニューヨーク州、およびニュージャージー州である。また、製薬用水処理のエンド・ユーザーの海外生産拠点の数が増える傾向にあり、それとともに、そうしたエンド・ユーザーの売上高、生産高、および研究開発予算も増える傾向にある。