GEのUFシステム、パキスタンの全国規模の浄水プロジェクトに採用

パキスタン政府は全土にきれいな飲み水を供給するという壮大なプロジェクトを進めているところだが、そのための有効な手段としてGEの限外濾過(UF)システムが何千という配水サイトで使われることになった。このプロジェクトは、世界保健機関(WHO)の基準を満たす処理済みの水へのアクセスを可能にすることにより、100万人以上のひとびとの生活を改善するものと期待されている。

パキスタンでは、1億6900万の人口のうちおよそ3分の2が農村部に住んでおり、その多くが、安全できれいな水の安定供給を受けられない状況にある。ユニセフ(国連児童基金)によれば、パキスタンでは病院のベッドの40%もが、水に関連した病気の患者で占められている。GEのHomespring UFシステムの導入は、こうした状況に置かれたひとびとの健康を守るのに役立つだろう。さまざまな水源から得た水にひそむ細菌やウイルスを、効率的かつ低コストで事実上すべて除去することができるからだ。システムの設置と向こう12ヵ月間のオペレータ訓練、および日常のメンテナンス業務には、GEの現地パートナーであるIdeal Hydrotech Systemsがあたることになっている。

 

今回のHomespring UFシステムの採用について、GE Water & Process TechnologiesのJeff Garwood社長兼CEOはこう述べている。「GEのHomespring浄水システムがこのすばらしい試みの一翼を担うことを誇りに思う。われわれの水濾過技術を使うことで、パキスタンなどの国ぐには、費用のかかるインフラ開発をしなくても遠隔地のひとびとにきれいな水を迅速かつ経済的に供給することができる」

現地パートナーのIdeal Hydrotech Systemsは本社がテキサス州Austinにあり、ドバイとパキスタンにオフィスを構えている。同社のCOOであるNehal Saeedはこう語っている。「Ideal Hydrotech Systemsは、パキスタン政府およびClean Drinking Water for All(CDWA)プロジェクトと協力して安全な飲み水をこの国のひとびとにもたらす仕事にかかわれることを、たいへんよろこばしく思っている。パキスタン政府は、北西辺境州だけでも1200近いサイトでの浄水プラントの建設と運営をわれわれにまかせてくれた。これは、ユニオンという最小行政単位ごとにひとつの浄水プラントを設置することを意味している。われわれは、プロジェクトのニーズに応えるため、6つのオフィスから成るネットワークや500人を超える常勤スタッフなど、現地の資源に大きな投資をしてきた。ひきつづきGEの支援を得て、パキスタンで今後もこれと同様のプロジェクトにいくつかかかわれることをたのしみにしている」

 

WHOによると、水が関連する健康問題の大半は微生物による汚染が原因である。Homespring浄水システムが採用しているGEのエコマジネーション認定商品のUF膜は、おびただしい数の微小な穴に水を通すため、化学薬品も電気も使わずに、病原菌が処理済みの水にはいり込むのを物理的に阻止することができる。これは地方の村落にとってはひじょうなメリットである。農村部では、停電がよく起きるし、他のシステムでは必要になることがある大量の水処理用化学薬品の輸送と貯蔵を確実に行なうことがきわめて困難な場合が多いからである。Homespring浄水システムは、GEの逆浸透膜と組み合わせて化学成分の除去にも使うことができる。遠隔地では、GEの太陽光パネルによる電力を利用して、自己完結した浄水システムを構築することも可能である。