ペルーのAlan Garcia大統領はこのほど、地球温暖化により氷河が急速に融解し、水の供給量が減ることを見越して、それに対処するため、太平洋の水を使った海水淡水化を計画していることを明らかにした。ペルーは淡水源のほとんどを河川から得ている。河川のいくつかは、アンデス山脈の西斜面を流れ下ってくるもので、その水源の一部は巨大な熱帯氷河だが、その氷河がこれまでにないスピードで融解をはじめているのである。
こうしたことから、Garcia大統領は、ペルーは海洋から水を汲み上げ、それを淡水化することによってより確実な代替水源を確保しなければならないとし、つぎのように述べている。「われわれは、きのうの計画で未来を考えることはできない。近代的な技術を使う必要がある。すなわち、海水の淡水化がそれだ」
ペルーの大半の人口は海岸沿いに住んでおり、アマゾンの熱帯雨林からアンデスを越えて水を運ぶより、海水を淡水化したほうが安くつく。900万の人口を抱える首都リマは、海岸の乾燥地帯に位置している。
ペルー政府によれば、韓国のDoosan Heavy Industries & Construction Co. Ltdの一部門で、淡水化を専門とするDoosan Hydro Technologyが、100万人以上のひとびとに水を供給するためにペルーの海岸地帯に淡水化プラントを2基建設する可能性があるという。
気候変動により水の供給量が減る問題への解決策として、南アメリカ大陸の企業や都市は海水淡水化にますます熱い目を向けはじめている。鉱物の産出国として名高いチリとペルーの鉱山業者は、すでに淡水化プラントの具体的検討をはじめている。