ペルーで海水淡水化計画――地球温暖化による氷河融解をうけて

ペルーのAlan Garcia大統領はこのほど、地球温暖化により氷河が急速に融解し、水の供給量が減ることを見越して、それに対処するため、太平洋の水を使った海水淡水化を計画していることを明らかにした。ペルーは淡水源のほとんどを河川から得ている。河川のいくつかは、アンデス山脈の西斜面を流れ下ってくるもので、その水源の一部は巨大な熱帯氷河だが、その氷河がこれまでにないスピードで融解をはじめているのである。

こうしたことから、Garcia大統領は、ペルーは海洋から水を汲み上げ、それを淡水化することによってより確実な代替水源を確保しなければならないとし、つぎのように述べている。「われわれは、きのうの計画で未来を考えることはできない。近代的な技術を使う必要がある。すなわち、海水の淡水化がそれだ」

ペルーの大半の人口は海岸沿いに住んでおり、アマゾンの熱帯雨林からアンデスを越えて水を運ぶより、海水を淡水化したほうが安くつく。900万の人口を抱える首都リマは、海岸の乾燥地帯に位置している。

ペルー政府によれば、韓国のDoosan Heavy Industries & Construction Co. Ltdの一部門で、淡水化を専門とするDoosan Hydro Technologyが、100万人以上のひとびとに水を供給するためにペルーの海岸地帯に淡水化プラントを2基建設する可能性があるという。

気候変動により水の供給量が減る問題への解決策として、南アメリカ大陸の企業や都市は海水淡水化にますます熱い目を向けはじめている。鉱物の産出国として名高いチリとペルーの鉱山業者は、すでに淡水化プラントの具体的検討をはじめている。

タグ「, 」の記事:

2020年3月23日
中国水利部、「2020年水土保全業務要点」を発表――生産や建設における水土保全関連法規への違反行為を厳しく処罰し、「ブラックリスト」に加えるなど信用管理を実施
2019年12月27日
中国工業情報化部、水利部など、「2020年重点水使用企業水利用効率トップランナー選出業務実施に関する通知」を発表――選出の対象や基本的要件、選出手順など規定
2019年12月20日
チリの銅開発公社Codelco、丸紅のコンソーシアムが落札していた淡水化プラント建設の入札をキャンセル
2019年12月3日
中国北京市政府、水環境対策3年計画を発表――汚水処理施設の整備などの措置を提示
2019年12月2日
中国生態環境部、「農村黒臭水対策業務ガイドライン(試行)」を発表――農村黒臭水対策モデル事業の展開も規定