工商省が2008年7月に発表した調査結果によると、全国で運営されている154の工業団地のうち、39の工業団地しか集中廃水処理処分場を設置しておらず、27の工業団地が廃水処理処分場を建設中であり、さらに27の工業団地が建設計画を持っているという。
工商省のNguyen Cam Tu副大臣は、工業分野の環境保護対策として発生源での廃棄物の削減・抑制を目標に掲げる前に、同省の政策に戦略、専門性及び一貫性がないことを認めた。現在の対策は場当たり的なものであり、環境管理システムも自発的なものであって、工商省が団体、企業グループ、会社及び各傘下組織をカバーする統一的な管理ネットワークもまだないというのが現状である。企業においても、ほとんどの場合環境専門部や環境室がなく、さらに環境事業を担当している幹部が他の事業分野も担当しているという状況である。
また、環境保護に関する法律の枠組みは不十分であり、ベトナムの環境保護法規の法的強制力は一般的に厳しくない。環境保護に責任を負う省庁間の効率的な協力体制もまだ整っていない。
貿易研究院のHo Trung Thanh博士によると、経済及び貿易の発展はグローバル化、そして地球温暖化をもたらし、環境、資源及び人々の健康を脅かしてきた。古い設備や時代遅れの技術、廃棄物、環境衛生基準を満たさない低品質の製品の輸入などによる環境汚染が懸念されるという。それに加えて、ベトナムの貿易拡大は自国の環境基準を満たすことを困難にしている。
こうした問題を解決するため、工商省は工業分野の環境保護規制をさらに公布する方向で検討している。その中には、天災及び災害による環境改善及び回復、汚染の抑制、及び事故対応などに必要な資金を提供するための環境保護基金を設置しようとする計画も含まれている。同時に、工商省のNguyen Cam Tu副大臣は、事業者が環境部を設置し、一定の数の環境専門家を配置することを規定しなければならないと提言している。さらに、財務省も事業者のための環境基金の設備と利用に関する財務規定を制定し公布する計画である。